よくある疑問として、「星占いと天文学はどう違いますか?」というテーマがあります。
どちらも空の星の動きを観察し、そこから”何か”を読み取る・・・という点では共通していますが、実は似て非なるもの。
具体的にどこが同じで、どこが違うのか?
今回は、天文学と星占いの違いに注目してみましょう!
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
始まりは一緒だった
天文学も占星術も、元々は「一つ」でした。
惑星運動の法則を発見したケプラーも、万有引力の法則で有名なニュートンも、「占星術」を経由して科学者となっているのです。
そもそも、星の動きに規則性があることを発見したのは古代バビロニアの人々。
紀元前9世紀頃には、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星などの惑星を見つけていたようです。
それらの星々は「神」として崇められ、いけにえを捧げていたという記録も残っているとか。
バビロニアの天文学はヨーロッパにも影響を与え、のちにそれらの惑星が地球を中心にしてまわっていると考えられるようになったのです。(いわゆる天動説)
しかし、一神教であるキリスト教が支配するようになり、「星=神様」とする天文学(星占い)は下火に。
その間、星占いは主にはイスラム圏で発展を遂げ、ルネサンスの時代になると一気に流行したのです。
1981年には、ウィリアムハーシェルによって「天王星」が発見され、天文学にも占星術にも大きな影響を与えました。
この出来事により、「7つの惑星」という枠組みが大きく揺らいだのです。
言ってみれば、「他にも神様がいた!」「新しい神様が現れた・・・!」というほどの衝撃ですね。
しかし、この出来事は「新たな時代の到来を意味すること」として捉えられ天王星も星占いの中に組み込まれていきました。
天文学との大きな違い
空の動きと人の世は密接につながっていると考える占星術は、人々に多くの希望を与えてきました。
例えば、「今月は愛を司る金星があなたの星座で輝いている。だから、きっと素敵なご縁に導かれるでしょう」と言われたら、ちょっと嬉しくなりませんか?
たとえ失恋してドン底の状態にあったとしても、「もしかしたらもっとすてきな出会いがあるかもしれない」と希望を持てるでしょう。
その希望があるからこそ、今日を生きることができる。ちょっとおおげさかもしれませんが、星占いにはそんな力があります。
一方、現代で言うところの「天文学」的な見方をすれば、金星の移動と個人の人生には何ら関係がありません。
それは、極端な話、「私が宇宙に生かされていることにはなんの意味もない」「星が動いたところで、私の人生は何も変わらない」と希望を失うことにもなってしまうでしょう。
たとえそれが事実なのだとしても、誰もがそんな現実を受け入れられるほど強くはありません。
だからこそ、「占星術」は今でも人々に希望を与えるものとして語り継がれています。
毎日の「星占いランキング」をつい見てしまうのは、ツラい現実の中に一縷の希望を見出したいからではないでしょうか?
美しい絵画や音楽が人の心を癒すように、占星術もまた人の心を癒し、希望を与えるもの。
ヒトの世がある限り、きっと、星占いがなくなることはないでしょう。
まとめ
占星術と天文学の違いについて考えてみました。
実際のところ、例えば「春分点」は毎年少しずつずれていくので、かつてはおひつじ座にあった春分点は今は「うお座」にあったり・・・と、天文学と星占いでは物理的なズレも多くあります。
※春分点とは、3月の「春分の日」に太陽が輝いている場所のこと。
しかし、元々の起源は、「星ってなんだろう?」「私はどこから来てどこに行くの?」という人間の心の動きにありました。
だからこそ、今でも完全に切り離すことはできない二つです。
占いを志す方も、逆に天文学を志す方も、その起源については勉強しておくのが理想的ですね。
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