天王星、海王星に続いて、「冥王星」もやはり、多くの方にとってはなじみがない星でしょう。
冥王星の「冥」という漢字には、「光がない」「闇」という意味があります。
実際、死者がさまよう世界のことを「冥土」とも言いますよね。
それを聞くだけでも、「なんだか怖い星…」というイメージを持たれるかもしれません。
実際のところ、冥王星とはどんな星なのでしょうか?
今回は、そんな冥王星について見ていきましょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
この世の誰も訪れたことがない「死」の世界
冥王星も、いわゆる「土星外天体」(トランスサタニアン)」の一つ。
土星の「その先」の世界にある星です。
太陽から非常に遠く離れた、暗黒の世界に位置している星…ゆえに、ローマ神話における死者の世界の王・プルートの名がつけられています。
なにしろ、冥王星はまだ宇宙船が一度も訪れたことがない惑星。
まだまだ謎が多く、それはまるで「死後の世界」のようです。
それゆえ、占いの世界では「死と再生の星」と呼ばれています。
物事をすべて破壊して、一旦ゼロにして「やり直す」「生まれ変わらせる」という作用がある星とされているのです。
ちなみに、天文学的に見ると、冥王星は他の惑星に比べると非常に小さいため、今では「矮惑星」と分類されていて、正式には「惑星」ではありません。
しかし、占いの世界では今なお、社会の動きや私たちの人生に大きな影響力を持つ星として重要視されています。
覚えておくと便利なキーワード
星占いを学ぶ上では「イメージ」が非常に大事です。
しかし、冥王星については「正直、あまりよく知らない」という方がほとんどでしょう。
なにしろ、天文学の専門家でさえも知らないことが多いのですから。
謎が多いものの、冥王星が動く時には大きな出来事が起こりやすいというのも事実。
さて、そんな冥王星にはどのようなキーワードがあるでしょうか?
・死
・再生
・復活
・徹底的な変化
・始まりと終わり
・性的なエネルギー
・地に眠る富
・秘密
・もっと奥にあるもの
・奥深くにあるもの
・信念
・自覚なき野心
・変身
・所有欲
・さそり座(冥王星はさそり座の支配星です)
さそり座はよく「死と生の星座」と表現されますが、それはまさに、この冥王星を支配星としているから。
日常生活においては、「死」をテーマにすることはタブーのように思われがちですが、「死」は「生」の一部であり、それもひっくるめて「生」です。
物でも人との関係でも、滅するからこそ新しく生まれるものがありますよね。
その変化を怖がっていては、成長はありません。
たとえ歴史のある建造物であっても、その地下に金塊や財宝が眠っているのならば、その建物を取り壊して地下深くまで土を掘り起こそうじゃないか。
…冥王星には、そんな底知れぬパワーがあります。
火星のように、見てわかるストレートな情熱ではなく、内側の奥深くに秘められた「野心」。
誰にでもあるその「野心」をあやつるのが冥王星なのです。
冥王星は「冥界の王」の化身
冥王星は、ギリシャ神話では、冥界の王「ハデス」を表す星です。
なんだかおどろおどろしくて怖い神様を思い浮かべるかもしれませんが、ハデスには恋のエピソードもあります。
ある時、ハデスは大地の女神・デメテルの娘であるペルセポネに恋をしました。
そして、なんとも強引なことに、彼女を冥界に連れて去ってしまったのです。
デメテルがペルセポネを見つけた時、すでに彼女は冥界のザクロの実を食べてしまっていて、冥界の住人となっていました。
しかし、ゼウスのはからいによって、1年のうちの8か月は地上にいる母親と暮らせるようになったのです。
ピンときた方もいらっしゃると思いますが、これが「季節」の始まりです。
娘が冥界で過ごしている4か月間は、デメテルは仕事に身が入らずに農業がおろそかになる ⇒ 農作物が育たたない時期=「冬」と捉えられますね。
このエピソードからもわかるように、一度「冥界」の世界の住人になると、もう完全には地上の生活には戻れません。
冥王星がもたらす「変化」も同様で、冥王星が自身の星座に入っている時期には、後戻りできないような徹底的な変化がもたらされることが多いです。
それはもはや、「破壊」と言ってしまったほうが良いでしょう。
奇しくも、2023年は冥王星が15年ぶりに星座をまたいで移動しました。
今はみずがめ座にあり、今後やぎ座への逆行を経て、本格的に「冥王星みずがめ座」の時代が始まります。
冥王星の力を味方につけるには?
冥王星は「徹底的な変化」をもたらす星。
クールに見えて、実は最もアツい星と言っても過言ではないでしょう。
そんな冥王星が、「革新」をキーワードに持つみずがめ座に滞在するこれからの時代は、とにかく変化を恐れないことが大事。
自分を変えること、自分が変わることを恐れない強さとしなやかさが運を切り開く鍵となるはずです。
そんな冥王星を味方につける方法は、「断捨離」。
日常的に、要不要の取捨選択をするクセをつけていれば、本当に大事な決断をする際に迷わなくなります。
インスピレーションを磨くためにも、定期的に見の周りの物を断捨離したり、場合によっては人間関係を整理すると良いでしょう。
気の合う仲間とずっと一緒につるんでいるだけでは、「それ以上」の境地には到達できません。
だからこそ、時にはあえて距離をおき、一人で別の世界に旅立つ勇気も必要なのです。
まとめ
海王星よりもさらに外側にある星、「冥王星」についてご紹介しました。
星占いにおいて、冥王星は「あの世」とつながっている星。
この世に生きる誰もが、まだ訪れことがない世界からのメッセージを届けてくれる天体です。
また、時には残酷なまでに徹底的に物事をひっくり返すパワーも持っており、それによって時代を切り開いていく、とても野心的でパワフルな星ともいえます。
人生には、あえて「ぶっ壊す」勇気が必要な時もありますね。
そんな時は、冥王星が今いる星座や、自分が生まれた時に冥王星があった星座を調べてみると良いでしょう。
そこには、人生を一歩前に進めるための大事なヒントがあるはずです。
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