インナーチャイルドカード講座20回目の今回は、大きな悪いオオカミ~悪魔~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 16枚目は「大きな悪いオオカミ」です。
ウェイト版のタロットにおける16枚目(15)は「悪魔」で、「惰性」「依存」「誘惑」などがメインテーマとなっています。
では、オオカミと悪魔の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「大きな悪いオオカミ」とは?
おとぎ話で「オオカミ」というと、なんといっても「赤ずきん」のイメージが強いのではないでしょうか。
おばあさんと赤ずきんを丸飲みするのですから、それはもう「大きな悪いオオカミ」のイメージにピッタリですね。
「悪魔」と同一視されても仕方がないようにも思えます。
しかし、実際のところ「オオカミ」とはそんなに獰猛な生き物なのでしょうか?
もともと、オオカミは「森の王者」と言われる動物。
スピリチュアルな世界では「森の神の遣い」あるいは「神そのもの」として崇められることもある、とても神聖な存在です。
「火伏せ(火災を抑える)」「安産」「五穀豊穣」…etc、日本では、悪者どころかむしろ「偉大な力で厄を除け、人々に幸せをもたらしてくれる」尊い神様として崇められています。
しかし、同時に、オオカミは家畜を襲う害獣でもありますね。
特に、海外に生息するオオカミは身体が大きいため、人間を襲うことも多いとか。
ゆえに、「人間の敵」として描かれることが多いのでしょう。
崇めるべき神聖な存在というよりは、「恐れるべき相手」「恐怖」を象徴する動物として描かれることが多いです。
このあたりの認識の違いが、日本人には「違和感」として感じられてしまうことも多いでしょう。
タロットカード「悪魔」との共通点は?
タロットカードにおける「悪魔」は、私たちの心に棲む弱い心を象徴するカード。
ここに描かれているのは、ヘビの誘惑に負けて知恵のリンゴを食べたアダムとイブであり、悪魔に捉えられて逃れられなくなってしまった姿が描かれています。
頭ではわかっているのにやめられない悪習慣。ダメだとわかっているのに逃れられない禁断の恋。
…私たちが陥りがちな、あらゆる「罠」を象徴していますが、アダムとイブは完全に自由を奪われているわけではありません。
逃げようと思ったら逃げられる状態なのに、あえてそうはせず、囚われた状態のままでいるのです。
そう。もしかしたら、「悪魔」も「大きな怖いオオカミ」も、私たちの心が作り上げた幻想でしかないのかもしれません。
「疑心暗鬼」という言葉に象徴されるように、疑う心、恐れる心が「悪魔」や「オオカミ」のような恐ろしい存在を勝手に作り出している…とも捉えられますよね。
逃げられるのにあえて逃げない。
本当は怖くない存在なのに、勝手に恐怖を感じて怖がる。
…悪魔もオオカミも、人間にとってはそんな存在ですね。
本当に恐れるべきは、悪魔でもオオカミでもなく、勝手に暴走する自分自身の「心」なのかもしれません。
あなたが恐れているものはなに?
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『大きな悪いオオカミ』の場合は、
★問いかけの言葉①:「あなたは何を恐れていますか?あなたの心にあるメンタルブロックとは?」
⇒このカードを引いた時は、あなた自身が何かしら疑心暗鬼な状態に陥っている可能性があります。
自分で自分を守るために、あえて「悪魔」や「オオカミ」のような存在を作り上げて、行動しないための言い訳にしているのかもしれません。
前に進むのが怖い。
変わるのが怖い。
人を好きになるのが怖い。
傷つくのが怖い。
…人はありとあらゆる理由で心に鍵をかけます。
その”ブロック”の存在に気づき、恐れを解放するべきタイミングがきているのかもしれません。
★問いかけの言葉②:「前進するために必要な行動は?」
⇒あなたは今、何を恐れているのでしょうか?
まずは、そのメンタルブロックに向き合う必要があります。
自分で自分に「やらない言い訳」をしているとしたら、それはなぜか?
あなたにとっての「オオカミ」とは誰で、どうすればそのオオカミを退治できるのか。
例えば赤ずきんの物語と重ね合わせて考えてみるのも良いでしょう。
あなた自身の物語をハッピーエンドにするために、今こそ「オオカミ」と向き合う必要があるのだとカードは伝えています。
過去を乗り越えることでオオカミは優しい神様に変わる
『大きな悪いオオカミ』では、「恐れ」が一つの大きなテーマとなっています。
何を怖いと思うのか、それは人によって異なるでしょう。
しかし、怖い怖いと自分の殻に閉じこもってばかりいては先に進めません。
幸せになるためには、恐れを「乗り越える」「手放す」というアクションが不可欠です。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。
「私は喜んで恐れを乗り越えていく準備ができています。過去のしがらみから自分を解き放ち、もう二度と振り返りません」
多くの場合、恐れは「過去の経験」に伴って生まれるものです。
「あの時、こうだったから、また同じことが起きるのではないか」「同じ失敗を繰り返してしまうのではないか」
恐れば恐れるほどに、オオカミは大きくなっていくでしょう。
だからこそ、「過去を断ち切る」という強い覚悟が必要です。
過去は過去。今は今。
その強い気持ちを持つことができた時、オオカミは愛すべき優しい存在となり、悪魔は天使に変わるでしょう。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ16枚目の「大きな悪いオオカミ」についてご紹介しました。
誰にでも、「怖いもの」「怖い存在」はあるでしょう。
しかし、「怖い」と思い過ぎると、それはとんでもない”架空の存在”を作り上げ、あらゆる場面で行動を妨げてしまいます。
まさに「大きな悪いオオカミ」も「悪魔」も、私たちの心が生み出す幻想の存在。
このカードを引いた時は、その「幻想」に気づくべきタイミングです。
あなたが恐れている「オオカミ」は、本当に存在するオオカミですか?
本当は、小さな可愛い犬の影をオオカミだと思い込んでいただけかもしれませんね。
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