インナーチャイルドカード講座24回目の今回は、黄色いレンガの道~太陽~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 20枚目は「黄色いレンガの道」です。
ウェイト版のタロットにおける20枚目(19)は「太陽」で、「喜び」「希望」「豊かさ」などがテーマとなっています。
では、「黄色いレンガの道」と太陽の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
「黄色いレンガの道」とは?
黄色いレンガの道とは、『オズの魔法使い』に出てくる道のこと。
主人公・ドロシーが歩いていく、エメラルドシティにつながる道です。
オズの魔法使いはアメリカの作家、ライマン・フランク・ボームが1900年に出した童話。
日本でも人気の童話ですね。
その一方で、「実は、内容はうろ覚え」という方も多いことでしょう。
簡単に内容をおさらいします。
ある日、竜巻に巻き込まれて飛ばされてしまった少女・ドロシー。
エメラルドの都にいるオズの魔法使いの元に行けば、「元の家に帰りたい」というドロシーの願いを叶えてもらえる。
…北の魔女の言葉に従い、彼女は愛犬のトトと共に旅立ちます。
途中、かかし、ブリキ、ライオンと出会い、合流。
かかしは「脳みそ」、ブリキは「心」、そしてライオンは「勇気」が欲しいということで、共に魔女の元を目指すことになりました。
いくつもの冒険を乗り越えながら、ついにエメラルドの都へ到着しますが…
紆余曲折あり、最終的には、「オズの魔法使い」など存在せず、人間のおじさんだったことが判明。
「行きたい場所を言って、魔法の靴のかかとを3回鳴らせばよい」という北の魔女の助言通りにすると、あっという間に元の家に戻ることができたのです。
タロットカード「太陽」との共通点は?
概要だけ見ると、なにがなんだかちんぷんかんぷんな物語のようにも思えるかもしれません。
しかし、この物語の肝は、「欲しいものはすでに自分が持っているものだ」という点。
例えば、脳みそが欲しいと言うかかしはしっかりと知恵を出していますし、心が欲しいと言うブリキが涙を流したりします。
ドロシーも、さんざん苦労したのに最終的にはアッサリと家に帰れてしまうのも面白いですよね。
結局のところ、「願い事は誰かに叶えてもらうものではない」「欲しいものは、本当は自分自身の内側にある」というメッセージが秘められているのでしょう。
一般的なタロットの「太陽」もまた、「内なる喜び」「内なる光」「内なる希望」を表すカードです。
西洋占星術では「獅子座」の守護星である太陽は、「自分は自分である」という強い自意識を司る天体。
また、何かを創造することの喜びを象徴するカードでもあります。
つまり、「黄色いレンガの道」と「太陽」で共通しているのは、「主役はあなた自身だ」というメッセージ。
「私は私のままでいい」「私が自分らしくあるために必要なものは、すでに全部持っているのだ」という気づきを与えてくれるのです。
大事なのは結果そのものよりも”プロセス”
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『黄色いレンガの道』の場合は、
★問いかけの言葉①:「曲がりくねった人生の道で、私が本当に目指しているゴールとは?」
⇒あっちに行ったりこっちに行ったり…と、「冒険」という名の元にさまよい続けたドロシーたちのように、私たちもまた長い人生においては迷うことがたくさんあります。
人生は、曲がったり分かれたりする道だらけだと言っても過言ではありません。
だからこそ、時には立ち止まって、「どこを目指しているのか」を確認する必要があるでしょう。
どこを歩いているのかわからなくなった時は、そもそもゴールの設定に問題があるのかもしれませんよ。
★問いかけの言葉②:「あなたにとっての最高の喜びとは?」
⇒「黄色いレンガの道を行きなさい」というフレーズは、オズの魔法使いの中でも特に印象深いものです。
この言葉は希望や夢、野望、そして信頼を象徴しています。
最終的に手に入れるであろう”何か”よりも、むしろそこに至るまでのプロセスが尊い宝物なのではないでしょうか。
少なくともドロシーは、この旅で信頼できる仲間との出会いや絆を手に入れました。
一人だったら心細かったであろうレンガの道も、仲間がいたから前向きに進むことができたのです。
あなたが今追い求めているものも、もしかしたらその最終的なゴールではなく、到着するまでの過程そのものが喜びであり、宝物なのかもしれません。
だからこそ、「どうやってゴールを目指すか」「どの道を通ってゴールを目指すか」にこだわることも大事ですね。
なかなかゴールにたどり着けないと感じているならばなおさら、冒険の過程そのものに目を向けてみるべきだとカードは伝えているのかもしれません。
太陽はあなたの心の中でいつもあなたを照らしている
『黄色いレンガの道』では、「希望」が一つの大きなテーマとなっています。
明けない夜がないように、人生の暗黒期にも必ず光が射す時が巡ってきます。
だからどうか、希望を捨てないで。
目の前の道を信じて進みなさいとカードは伝えているようです。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私は高次の野望に向かって、目的を持って、かつ喜びを持って進んでいきます。希望と愛につながる一歩を、勇気を出して踏み出します」
どちらから太陽が昇るのかわからないような暗闇の中であっても、歩き続けていればやがて日が昇り、自分たちがいる場所がハッキリとわかるでしょう。
そしてその太陽を作り出すのは、私たち自身なのかもしれません。
そう。私たちはすでに、太陽に続く黄色いレンガの道を歩み始めているのです。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ20枚目の「黄色いレンガの道」についてご紹介しました。
何かを「欲しい!」と強く求めている時は与えられないのに、「やっぱりいいや」と他のことに目をそらした途端に簡単に手に入ってしまう
…そんな経験はありませんか?
オズの魔法使い、はまさにそんな「願望あるある」を象徴するような物語であり、最終的にはドロシーたちの願望はいとも簡単に叶えられてしまいます。
「手に入らない」と思っているものは、実はすでに私たち自身が持っている…あるいは、手に入れる方法を知っているのです。
このカードを引いた時は、見せかけの「ない物ねだり」の罠にハマっていることをカードが警告しているのかもしれませんね。
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