一般的なタロットカードでは、「ソード」というとちょっとネガティブな印象を抱いてしまう方も多いでしょう。
例えば最終カードであるソード10では、全身に剣が刺さった男性が描かれていて、見ているだけでも「ツライ…」という気持ちになる方も。
インナーチャイルドカードの場合はどうでしょうか?
今回は、「ソード」のスートに注目してみましょう。
ソードは「真実のソード」
ソードは、日本語で言うと「剣」。
一般的なタロットにおいて剣は「思考」や「知性」「理知」「言葉」などを意味しています。
言葉で人を傷つけることもありますし、思考が自分自身を傷めつけるということもありますよね。
言葉や思考が「剣」で表現されることにはあまり違和感を覚えないのではないでしょうか。
また、四大元素でいうと「風」を司るスートです。
インナーチャイルドカードの場合は「真実のソード」と表現されていますが、基本的な意味は同じ。
ただ、ウェイト版やマルセイユ版などに比べると、一枚一枚のカードにストーリー性があります。
なので、それぞれのカードから特別なインスピレーションを得ることもあるでしょう。
リーディングの際には、何よりも自分の中にピンとひらめいたこと、降りてきたメッセージを大切にして解釈するが大事です。
真実のソード1~ワンド10はそれぞれ何を表しているの?
インナーチャイルドカードの小アルカナは、それぞれにテーマが与えられています。
先ほどもお伝えした通り、絵柄と占者の共鳴が大事なので絶対的な正解と言えるようなものはありませんが、一つの例を挙げておきますのでリーディングの参考にしてみてください。
★真実のソード1 知的な旅のはじまり
1年の始まりに、「魔法の剣」を石から抜こうとしているアーサー王が描かれています。アーサー王とは、ローマン・ケルトのブリトン人を率いてサクソン人を撃退した英雄です。これから偉大なる旅が始まる…!という高揚感を思わせる絵柄ですね。
★真実のソード2 葛藤に決着をつける
太陽の元でフェンシングのように剣を交わして戦っている若者が描かれています。ここで描かれているのは「決定」「決着」のテーマです。
★真実のソード3 心身を調和させる
石造りのお城の中で、まるでラプンツェルのような少女がトライアングルを奏でる様子が描かれており、「喜び、コミュニケーション、調和」を表しています。
★真実のソード4 知識を深める
いかだで旅する4人の若者が描かれているカード。川は「内なる真実」を、そしていかだは「欲求」を表しています。つまり、「自分をもっと深く理解したい」「古い思考パターンから抜け出したい」という知的な欲求を表すカードなのです。
★真実のソード5 目的を見つける
若者が、心の海で美しい”なにか”を見つけた様子が描かれています。ヒトデのようにも見える五角形は、神様など偉大なる存在に通じる図形。「邪悪なものを祓い、幸運をもたらす」というメッセージが込められています。
★真実のソード6 意志を一つにする
剣と杯を交わす6人の若者が描かれていて、彼らが共通の志に向かって士気を高めている様子がうかがえます。輝かしい光に包まれ、「勝利」を予感させる力強いカードです。
★真実のソード7 静かに内省する
遠くを見つめながら机に向かう若者が描かれています。「心ここにあらず」といった様子ですが、心にあるものをソード=ペンによって形にしようとしています。
★真実のソード8 思考を浄化する
ソードの先端に火を灯し、暗い洞窟のような場所を歩いていく若者たち。このカードで表されているのは心の暗闇と隠れた恐れ。明晰な思考と決断を妨げているネガティブなものを象徴しているのです。
★真実のソード9 自己受容する
9本の剣に囲われて座り込んでいる若者。絵柄的に、一般的なウェイト版のタロットと似た雰囲気のカードですね。古いパターンや思考に囚われている様子が表現されていて、そこに留まるも勇気を出して抜け出すも自分次第だということです。その様子を、ドラゴンが眺めています。
★真実のソード10 新たな意識の始まり
一つ前のソード9で若者を眺めていたドラゴンが、今度は剣で囲われています。これは、限界や恐れを自らの力によって乗り越えることの象徴。光る剣を携えた若者はとてもパワフルで、前向きな可能性を感じさせてくれます。
ワンドもそうでしたが、ソードも一般的なタロットカード(ウェイト版)と比較すると内容がかなりポジティブにアレンジされています。
例えばソード10は、ウェイト版だと10本の剣で体をめった刺しにされていて「惨殺」という言葉が思い浮かびそうな光景。
遠くには夜明けの空が広がっていて「苦しい時期は過ぎた」というポジティブな意味も含まれているカードではありますが、パッと見た印象ではあまり嬉しくないカードとも言えるでしょう。
一方、インナーチャイルドカードでは、ツライ状況を自分の力で乗り越えたというポジティブなメッセージを受け取れます。
(ワンドもそうですが)ウェイト版は「大変だったね…」「無理しないで休んで」と言いたくなる雰囲気ですが、インナーチャイルドカードのソード10は「やったね」「よく頑張ったね!」という言葉が自然と思い浮かびます。
闇夜を乗り越えた先にある「解放感」や「力強さ」がメインで描かれていて、希望を感じさせるカードセットとなっているのが印象的です。
人物カードはどうなるの?
一般的なウェイト版のタロットカードでは、1~10の数札の後に「コートカード」(人物カード)が続きます。
ペイジ、ナイト、クウィーン、キングという構成になっていますが、インナーチャイルドカードの場合は以下のようになっています。
ペイジ ⇒ チャイルド
ナイト ⇒ シーカー
クウィーン ⇒ ガイド
キング ⇒ ガーディアン
チャイルドは「子ども」、シーカーは「捜索、調査する人」、ガイドは「案内人」、そしてガーディアンは「保護者、守護者」を表しています。
特徴的なのは、クウィーンの性別が入れ替わっていること。
インナーチャイルドカードの「ガイド」は、男性の女性的な側面を表しているのです。
例えば、ソードのガイドは「ロビンフッド」で、思いやりのある心と明晰な頭脳から生まれるリーダーシップを表し、「人生のイニシアティブをとる」というテーマが与えられています。
ウェイト版では、ソードのコートカードはどの人物もちょっと冷たさを感じさせますが、インナーチャイルドカードで描かれている人物はその色使いや表情に優しさを感じるのが印象的。
やはり、どのカードもメッセージ性やストーリー性が強く、タロットというよりはオラクルカードのようにも感じられますね。
【まとめ】気づきを与えてくれるオラクルカード!
インナーチャイルドカード版の「真実のソード」の数札の読み方をご紹介しました。
「思考」や「理性」を司るスートということもあり、ウェイト版ではちょっと冷たい印象を受けるカードも多いソードですが、
インナーチャイルドタロットでは、色使いや人物の表情から温かみを感じられる描かれ方になっているのが特徴的です。
インナーチャイルド版の「ソード」からは、剣=人の命を殺める武器という印象をほとんど受けません。
むしろ、人に力を与えるもの、人の未来を照らすもの、人の心にある真実を明らかにするもの…というポジティブな捉え方で描かれているのがステキですね。
これは「言葉」も同じことで、誰かの言葉が人の心に明るい希望を灯してくれることもあります。そんな、心が温まるようなメッセージを与えてくれるカードセット!
「占う」というよりも「気づきを与えてくれるオラクルカード」という捉え方でカードと向き合ってみると良いでしょう。
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