インド占星術×カルマ講座では、インド占星術をカルマという視点でご紹介していきます。
13回目の今回は出生図の「ヴェーダ」と「ダルマ」というお話をしていきます。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
ヴェーダとダルマ
インドの叡智であるヴェーダによると、ダルマは
・社会的ダルマ
・人間的ダルマ
・個人のダルマ
に分かれています。
自分自身が属する場所、人生の段階における義務を追求することがダルマであると述べられています。
個人のダルマに関しては、インド占星術×カルマ講座12回目のカルマとダルマについての回でお話していますが、個人のダルマの前に、前提として社会的ダルマ、人間的ダルマも存在しているということですね。
社会的ダルマとは、ヒンズー教のベースとなる考え方で、階層としては今は撤廃されていますが、まだまだインドの方々の中には残っている考え方でもあります。
一つの側面から見ると、この社会的ダルマの括りは良くないものに思えますが、社会的ダルマがあることで、生きやすかったと思われている方もいらっしゃるのかもしれませんね。
4つの社会的ダルマは、
1・バラモン 精神的、学問的タイプ
2・クシャトリヤ 行政関係
3・ヴァイシャ ビジネス関係
4・シュートラ 職人
社会的ダルマにおいては、これらの責任を果たす事で、社会的ダルマを実現できます。
人間的ダルマとは、人の人生には4つの段階があるとヴェーダでは説かれています。
1・ブラフマ・チャリア 学びのとき
2・グリフスタ 仕事と家族の時間
3・ヴァナプラスタ 公的生活からゆっくり退く時期
4・サンニャーサ 神に自分自身を捧げる、最後の放棄の時間
4つの人生のステージを進んでいく。
4のステージに行く方は、ごくわずかでヴェーダでは、サンニャーサのステージにいく事で、全てのことから自由になれる。
真の幸福は、精神的に成熟した心により得られることを、教えています。
これらの人生の段階においての義務を追求していくことが、ダルマだということですね。
ヴェーダの3つの概念
ヴェーダは、大きく分けると3つの概念により作られています。
1つ目は、高次の自己実現
2つ目は、魂の存在
3つ目は、カルマと輪廻の法則
1つ目の高次の自己実現とは、人類は本質的に純粋な精神(プルシャ)であり、この精神は生命の最高の現実である神(ブラフマン)と同一である
という概念です。
ヨガを実践されている方はヨガ哲学で説かれているためご存知の概念かもしれませんが、日本人である私たちが、この概念を真に理解するのはなかなか難しいことですよね。
私たちは、物質世界を生きているがゆえに、なかなか高次の自己の存在を認識することができません。
ヴェーダで言うところの「無知の状態」です。
高次の自己(アートマン)に気づけることで、宇宙の大いなるエネルギーと同一化できる、つまり、自己実現に繋がっていくということ。
ビジネスの話をする際によくお話するのが「マズローの5段階説」になります。
マズローの5段階説でも、晩年に発見された自己超越を除くと、自己実現は最上位の概念になります。
低次の欲求である、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求と、だんだんと高次の欲求に上がっていきます。
自己実現とは、本当の自分自身の道を歩むこと。
マズローの5段階説では、物質的な自己実現も含まれていますが、物質的な自己実現なのか、精神的な自己実現なのかが異なるだけで、本質部分は同じです。
高次の自己を目指していくことが、とても大切だということですね。
この概念は、抽象度を上げることにも繋がっていくのではないでしょうか?
2つ目の概念は、魂の存在です。
ヴェーダでは、輪廻転生が根元にあります。
魂は非物質的な存在ですが、誕生時に肉体と結びつく事で、物質的な存在になります。
魂には自由意志があり、自分自身の意思に従って行動し、不滅であるため、肉体が滅びても存在し続けるということ。
ヴェーダによると、魂が思考、言葉、行動を通じて自らの現実を創造すると言われています。
過去生での経験は今世の私たちに引き継がれ、カルマの負債を返しながら、良いカルマの恩恵を受けながら、新たなカルマを作りながら私たちの魂は生き続けているという事ですね。
3つ目はカルマと輪廻の法則です。
カルマ=行為であり、過去の行為の結果を意味します。
カルマの法則は、作用反作用の法則などと言われたりもしますが、世界一読まれている本である聖書で伝えられている
「あなたが蒔いた種はあなたが刈り取る」と同じ意味になりますね。
私たち個人のカルマは、魂の過去の思考、意図、言葉、行為の蓄積された結果です。
これらが現実を創造し、将来の経験を条件つけているということ。
魂は、複数のカルマの影響を生涯に渡って経験していきます。
もちろん、私たちには自由意志も存在していることを忘れてはいけませんね。
まとめ
それではまとめです。
ヴェーダで言われている
・社会的ダルマ
・人間的ダルマ
・個人のダルマ
これらの概念を理解することは、私たち日本人にはなかなか難しいことです。
まずは、こういう括りがあるんだということを知ることで、魂視点で考えるときのお役に立てるのではないでしょうか?
古代の賢者の方々が、精神世界についてこれだけ深く掘り下げていたということに、驚きを隠せません。
心の平穏を得ることは、今も昔も時代が変わっても変わらない、とても大切なことだということですね。
そのために、占星術で魂の目的、魂の設計図®︎を明らかにしていきます。
占星術を魂の視点から読んでいくのは、自分自身でチャートを読めるようになることが一番です。
12月1日にオープンする魂術協会では、魂の視点でチャートを読む方法もお伝えさせていただきます。
準備が整いましたら、YouTubeでもご案内させていただきます。