「小アルカナは大アルカナに比べて抽象的で、何を言いたいのかよくわからない」
そんな声もよく耳にしますが、これもやはり数秘と絡めて学んでいくと理解しやすく、記憶に残りやすいです。
タロット×数秘術リーディング講座、今回は小アルカナ編「2」をお届けします。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
調和のエネルギーを表す(2)
「2」は、数秘術では相対する2つのものを調和するエネルギーを意味しています。
すなわち、「自分さえよければいい」「自分のことだけで精一杯」という状態から一歩進んで、「他」の存在を意識するステージに入るんですね。
自分一人で完結していた世界に他者が介在してくるわけですから、エネルギーの流れも大きく変わります。
エース(1)で生まれたエネルギーが、どんな風に発展していくのか。
小アルカナ×2の世界をのぞいてみましょう。
WAND(棒)2~旅立ち~
エースの時は力強い枝が1本描かれていましたが、ワンドの2ではその枝が2つに分かれています。
生命力が強すぎるが故に1本の内に留めておくことができなくなってしまったんですね。
そしてここで「さて、2本に分けたけど、これを使って何をしようかな?」「どこに行こうかな?」と迷い始めます。
結果的に男性は長いほうの棒を選び、とりあえずこの領地から出ていくことを選んだようです。
ここには、「やりたいことはいくつもあったけど、一つに絞り込んだ。それは地元ではできないことだから、地元を出ていくことにした」という解釈にもつながりますね。
2本から1本を選ぶ。
だからこのカードは「決断のカード」とも呼ばれています。
一般的に数秘術では「2」は「女性性」を象徴する数ですが、ワンドの2に関していうと非常に男性性が強い印象を受けますね。
CUP(聖杯)2~心の交流~
守られていたコンフォートゾーンを出ていくと、そこに他者との出会いがあります。
カップのエースは、自分の中で一方的に沸き上がる想いを意味していたのに対して、2には「相手」がいます。
自分の中のあふれる想いを、誰かに差し出す。想いを共有する。
まさに「2」という数字が意味する「調和」や「分かち合い」を描いたカードです。
集中すべきは、二人の間にまだ距離があること。
お互いに魅力を感じて引き寄せられてはいるものの、まだどこまで近づいていいのか迷っている状態。
だから空気を読もうとしてマインドフルになるし、相手を受容しよう、相手の話を聞こうとして前のめりになります。
これも数秘「2」の性質をよく表していますね。
SWORD (剣)2~迷い~
他者との交流は、心に豊かさをもたらしてくれる一方で、不安や迷いも多くなりますよね。
「相手の言葉をどこまで信じていいのか」
「どうやったら口説けるんだろう」
「二人のうち、どっちにしよう」
「どう行動するのが正しいあり方なんだろうか」
ソードの2は、2つの選択肢の間で迷い過ぎて動けなくなってしまっている様子を描いています。
背景に「水」や「月」という”情”を司る要素が描かれていることから、恋愛や友情など人間関係での悩みごとの時によく出るカードです。
また、この海の様子はこの人の心の内側の状態を表しているんだ、と読む占い師さんもいます。
決断を下さずに”様子見”をしているように見えるけれど、その心の内側は背景の海のようにさざ波が立っている。
この人物は、落ち着いているように見えて心の中はハラハラ、ドキドキな状態のようだ、とも読めるでしょう。
ソードのエースでは一つの方法しか知らなったものが、2つの方法を知り、どちらを使おうか迷い始める・・・そんな意味もあります。
PENTACLE(金貨)2~野心~
ペンタクルの2は、ソードの2とは対照的に、ちょっと落ち着きがないイメージ。
エースで手にしたお金でジャグリングをしているんです。
「今のところ、具体的な使い道は思い浮かばない。だったら、この金貨を使って芸をやって稼いだらどうだろうか」と考えたのかもしれません。
実際、エースでは一つしかなかった金貨が2つになっていますね。
「お金は寝かせていたら衰退してしまう、だから常に運用して増やしていかなければ」というメッセージ性もあるようです。
現実世界でも、「金は天下の回り物」と言われますし、お金は働かせてなんぼ。
金貨を結ぶリボンが形作る「8」は、野心や拡大、そして豊かさを表す数字です。
この男性のお金に対するマインド、「お金持ちになりたい」という高い志がうかがえます。
ソードのような緊張感はなく、楽しそうに、どこかおどけた雰囲気すら伝わってきますね。
好きなことをして楽しみながらお金儲けができるなんて、理想的。
しかし、彼の背後には嵐が迫っていることが見て取れます。
確かにお金を運用することも大事だが、無茶をするとリスクもあるぞと。
そんな警告めいたメッセージも見て取れますね。
【まとめ】タロット×数秘「2」は迷いの上に成り立つ調和。
数秘術においては「二つのものを結ぶ」「つなぐ」「調整する」という仲介役の意味を持つ「2」という数字ですが、タロットカードとの組み合わせでは「二つの間で迷う」という要素も強く帯びています。
現実の世界においても、「選ぶこと」は美しいエネルギーです。
何かを選べば何かを捨てなければいけないことになる。
その覚悟の上に片方を選び取るのですから、そこには「強さ」や「覚悟」が要ります。
タロット×「2」が出た場合は、単純に「調和」というよりも、「迷いを振り払って選んだ先にある調和」と読んだほうがしっくりくるのではないでしょうか。
もちろん解釈はその人の自由ですが、「調和」に加えて「迷い」「覚悟」というキーワードもセットで覚えておくとリーディングの幅が広がるはずです(*´∀`*)
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