私たち人間は、社会的な生き物です。
モチベーションが上がらない、なかなか集中できない。
そんなときに、適度なプレッシャーを自分に与えることで、モチベーションをあげていくことも可能だったりします。
今回は、人目を意識することでパフォーマンスを上げていく方法について、ご紹介していきます。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧くださいませ。
なぜ?「リビング学習」が推奨されている理由
「東大に進学するような優秀な子どもは、小さいころからリビングで勉強していた」
こんな話を見聞きしたことはないでしょうか。
「一人の空間で集中したほうが成績も上がるに違いない」
そんな従来の定説を覆すようなこの説に、「え?」と違和感を覚えた方も多かったかもしれません。
なぜ、リビング学習が推奨されたのか。
理由の一つは「適度な緊張感」です。
人間は、全くストレスがない状態よりも、適度な緊張感や不安感があったほうがパフォーマンスは上がることがわかっています。
自分の部屋にこもってしまうと、「誰にも見られていない⇒サボってもとがめられない⇒ちょっとならいいかとスマホや漫画に手を出しやすくなる」というメカニズムで自分に甘くなりがち。
一方、家族の目や生活音があるリビングでは、適度な緊張感があるためかえって勉強に集中できるというわけです。
もちろん全ての子供に当てはまるわけではありませんが、「人の目がないと油断してしまう」というタイプの子供にとっては有効な勉強テクニックと言えるでしょう。
実はこれは、大人の「仕事」にも応用が可能です。
「人は社会的な生き物」という特性を利用する
なぜ、人目があったほうが仕事に集中できるのか。
それは、人間が社会的な生き物だから、ということも影響しています。
現代ではあまり実感できないかもしれませんが、狩猟採集時代までさかのぼってみれば我々もまた群れで生活していた生き物であり、「仲間」との関係性が命を左右すると言っても過言ではありませんでした。
「無能だ」と思われたら繁殖のパートナーを獲得することはできませんし、裏切り行為で信頼を失ってしまったら群れから排除されてしまう・・・だからこそ私たちは、「人の目」を意識し自分を良く見せようとして行動するように進化してきたのです。
ですから、人の目が気になるのも、承認欲求があるのも当たり前。
独立したのはいいけど、自宅だとなかなか仕事に集中できない
という方は、この性質を利用して、あえて人の目がある場所で仕事をすることをおススメします。
家族がいるなら、リビングの隣にワーキングスペースを作る。
一人暮らしなら、カフェや図書館、コワーキングスペースなど他の人の存在を意識せざるを得ないような場所に身を置くようにしましょう。
適度な雑音の中で作業することは、集中力を高めるトレーニングにもなります。
もう「子供の声がうるさくて仕事に集中できない」「近所の工事の音がうるさくて仕事が進まない」なんて、自分のモチベが上がらないことを他人のせいにすることもなくなるでしょう。
一人暮らしなら「鏡」をうまく利用しよう
そうはいっても、機密の情報もあったりするし、人目につく場所で仕事をすることに抵抗を感じる
そんなあなたには、「鏡」をうまく活用することをおススメします。
コロナ渦でSTAY HOMEやテレワークが求められていた2020年、じわりじわりと需要を伸ばしていたのが「鏡」です。
鏡は、ありのままのあなたを映し出すもの。
ワーキングスペースに鏡を取り入れることで、「集中して仕事をしている」/「サボっている」という自分自身の姿を客観的にチェックできるようになるのです。
そして、脳が勝手に「こうあるべき自分」と比較して対策を考え始めます。
つまり、自分を客観視し冷静に分析できるようになると、「こうなりたいのに、実際はこうだ。だったら、理想の自分に戻さなくちゃ!」という自己修正機能が働くようになり、自然とモチベーションやパフォーマンスが上がるというわけです。
これはダイエットでもよく使われるテクニックで、「ミラーダイエットで体型を維持しています」と語っている有名な女優さんもいるほど。
仕事のパフォーマンスが上がって、おまけにダイエット効果まであるなら試さない理由はありません!
この機会に、ぜひお気に入りの鏡をゲットしてみてくださいね。
ただし、不慣れなことをする場合は一人の空間が必要
ここまで見てきた通り、仕事のモチベーションを高めてパフォーマンスを上げるには「人から見られている自分」を意識することが効果的です。
ただ、例外もあります。
それは、自分にとって苦手なこと、慣れていない仕事をする場合。
アメリカのミシガン大学で行われた研究によれば、慣れた行動をする場合は緊張をやる気や意欲に上手に変換することができるものの、苦手な行動や不慣れなことをする場合は緊張をうまく転換できず、逆にパフォーマンスが下がってしまうとのこと。
慣れていること、得意な作業をする場合は家族がいるリビングでやったほうが効率が良いが、初めて請け負った仕事などは自室にこもって一人で集中したほうが成果は上がりやすいということですね。
これもやはり、「他の人にカッコ悪いところを見せたくない」「もたもたしているところを見られたくない」という心理が働いているのでしょう。
このように、仕事の内容に応じて環境を変えるというのが、パフォーマンスを高く維持するためのポイントです。
【まとめ】人間は人目が気になって当然。承認欲求をバネにしてモチベUP!
適度な緊張感やプレッシャーを利用して仕事のモチベーションやパフォーマンスを高める方法についてご紹介しました。
「会社勤めの時とは違って、上司もいないから気持ちがダレてしまう」「気づけばスマホをダラ見してしまう」という時に試して欲しいアクションを整理してみましょう。
・ワーキングスペースに鏡を置き、自分のありのままの姿を映し出し客観的にチェックする
・慣れていない作業をする場合は、むしろ一人の空間でやったほうが良い
どんな場所、どんな環境で集中できるかは個人差もあります。
ですから、ここで紹介したことが全ての人に当てはまるわけではありません。
しかし、とかくフリーで仕事をする身になると「人間は社会的な生き物である」ということを忘れてしまいがち。
モチベーションが上がらない時は、人間の基本的な性質に立ち返って対策してみることで、やる気を取り戻すことができるでしょう(*´∀`*)
コメント