インナーチャイルドカードの大アルカナ 1枚目は「赤ずきん」です。
ウェイト版のタロットにおける1枚目(0)は「愚者」で、「自由」や「冒険」が大きなテーマとなっています。
さて、赤ずきんと愚者の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
改めて復習!『赤ずきんちゃん』ってどんな話だった?
私たちにとってなじみ深い赤ずきんちゃんは、グリム童話の物語。
「赤ずきん」と呼ばれる女の子の物語です。
おばあちゃんの手作りの赤ずきんが大好きで、いつもそれをかぶっていたために「赤ずきん」と呼ばれるようになりました。
そんな大好きなおばあちゃんが病気で寝込んでいます。
赤ずきんは、お母さんのおつかいで、おばあちゃんの家までお見舞いに出かけることになりました。
まだ、この世界に自分を陥れる悪い人がいるなんて想像もしていない赤ずきん。
そんな彼女が出会ったのはオオカミでした。
オオカミは赤ずきんをそそのかし、花畑で道草をさせるように仕向けます。
そして、その間に先回りしておばあちゃんの家に行き、なんとおばあちゃんを食べてしまうのです。
恐ろしいことになっていることを知らない赤ずきんは、予定よりも遅れておばあちゃんの家に到着しました。
迎えてくれたおばあちゃんはベッドに寝ていて、姿をハッキリ確認できないものの、声やシルエットが明らかにおかしいと気づく赤ずきん。
しかし、時はすでに遅しで、彼女も食べられてしまいます。
その後、満腹になったオオカミは寝入ってしまいました。
そこに通りかかった漁師が、オオカミの異常な様子に気づき、寝ている間に腹を割いて二人を助け出してくれたのです。
…これはグリム童話で伝えられている内容ですが、世界各地でいくつものバージョンがあり、最も古いものは1697年にフランスのペローが執筆したものだと言われています。
ロットカード「愚者」との共通点は?
一方、ウェイト版のタロットカードで描かれているのは、目的地を定めずに旅する若い男性。
トランプではジョーカーに位置づけられるものであり、トリックスター的な存在です。
「0」という数字から、「失うものがないもない」「何も持っていないからこそ最強」…こんな解釈もできるカード。
赤ずきんとの共通点としては、まずは「冒険」が大きなテーマになっていることが挙げられるでしょう。
どちらも、危険をはらんだ冒険の旅ですが、本人はまだそのことに気づいていません。
愚者の足元は崖で、その下には激しく波が打ち付けていますが、彼は全く恐れていないよう。
同じく赤ずきんも、まさか自分がオオカミに食べられるなんて想像もしていなかったでしょう。
傍らに描かれているのは犬ではなく蝶々ですが、「おつかい」は彼女にとっては大冒険であり、ワクワクしながら蝶に何かを語りかけているように見えます。
このように、2枚の間には「若さゆえの純粋さ」「世の中を疑わない無垢さや危うさ」という共通点もあります。
このカードが出た時は、まさにその人が何か「冒険」を始めようとしている段階であることを表しているでしょう。
経験がないことから、この先に待っている困難については予測すらできていない状態かもしれません。
なぜおとぎ話なの?
まず第一に、人は「物語(ストーリー)」を好む生き物です。
例えば、ものすごく偉そうで横暴な態度の政治家を想像してみてください。
人に対しても不愛想で、「なんでこんな人が当選したんだろう」と思うような人物。
しかし、もしその人に、
「実はものすごく苦労人で、恵まれない幼少期を送った。しかし、自身の体験を通じて、同じような不遇な子供を一人でも減らしたいという強い使命感から政治家を志した」
こんな過去があることを知ったら、少し見る目が変わるのではないでしょうか?
あるいは、「ものすごく犬が大好きで、プライベートでは犬の保護活動をしている」なんてストーリーがあったら…、それまでのイメージが180度変わることだってあるでしょう。
このように、人はストーリーに弱いのです。
誰かのことを理解する際、ストーリーがあるかないかでその人の印象は大きく変わります。
同じように、自分自身について理解を深める際にもストーリーが必要です。
漠然と「自分探し」「本当の自分を見つける」と言われても、どうしたら良いのかわかりませんよね。
しかし、そこに何かしらのストーリーがあればその上に自分の姿を投影させることができ、自己理解もスムーズになるでしょう。
自分を向き合うための問いかけ
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『あかずきん』の場合は、
★問いかけの言葉①:「私は、生まれ変わるためにどんな準備ができていますか?」
⇒赤ずきんには、「生まれかわり」という大きなテーマが与えられています。
このカードを引いたということは、あなたがまさに今、生まれ変わりのタイミングに差し掛かっている暗示とも受け取れます。
だからこそ、どんな形での生まれ変わりを望んでいるのか、生まれ変わるならどうありたいのか?…自分自身に対してこんな問いかけをしてみると良いでしょう。
★問いかけの言葉②:「人生をより情熱的に、自由にするにはどうすれば良いでしょうか?」
⇒赤ずきんや愚者のテーマは「自由」。
このカードを引いたあなたは、もしかしたら今、何かしら不自由を感じる状況にあるのかもしれません。
では、自由を受け入れる覚悟はできているでしょうか?
今の状況から自由になるにはどうすれば良いのか、また、自由になったらどうしたいのか?
そんな問いかけをしてみることで、自分自身を縛り付けている「何か」としっかり向き合うことができるでしょう。
過去を手放す
赤ずきんちゃんは、ある意味では、か弱くて頼りなかった「少女」の自分を捨てて強い女性へと変容していく物語とも言えます。
オオカミのお腹の中から自由になる…このテーマこそが、赤ずきんの物語の真ん中にあるものだと言っても過言ではないでしょう。
弱さ、不安、恐れ、…そういったものから解放された先に、本当の意味での「あなたらしさ」、あなたらしい人生があるのです。
言ってみればそれは、「過去」との決別。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私は過去を手放し、私の人生を自由に解放します」
「私は自分の”影”を光へと投じ、新たな可能性を切り開きます」
さあ、あなたにとっての「オオカミ」とは誰でしょうか?
このカードを引いたのは、オオカミと対峙するべき時期が来ているというメッセージかもしれません。
そのオオカミと向き合うことで弱さやコンプレックスを解消し、あなたは本当の意味であなたらしく、自由に自分の人生を歩めるようになるのです。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ0番の「赤ずきん」についてご紹介しました。
タロットの「愚者」と童話の「赤ずきん」にこんな共通点があったなんて、これまで思いもしなかったかもしれません。
しかし、こうして読み解いてみると、たった1枚のカードから長い物語を紡ぎ出し、そしてそれは私たち一人ひとりの人生とも重なり合っていることに気づきます。
まだまだタロットの旅は始まったばかりですが、深い洞察を得られるカードと言えるでしょう。
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