インナーチャイルドカード講座12回目の今回は、ピーターパン~戦車~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 8枚目は「ピーターパン」です。
ウェイト版のタロットにおける8枚目(7)は「戦車」で、「行動力」「前進」「コントロール」がメインテーマとなっています。
では、ピーターパンと戦車の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
ピーターパンってどんな話だった?
おそらく、「ピーターパン」という名前を聞いたことがないという方はいないでしょう。
物語の内容を知っているか、いないかに関わらず、ピーターパンは私たちにとってなじみ深い存在です。
具体的には、年齢的には「大人」と呼ばれる齢であるにも関わらず、ちょっと夢見がち。現実離れしていて大人になり切れていない人を指して「ピーターパン」と表現します。
というのも、物語のピーターパンはおとぎの島「ネバーランド」に住んでいて、永遠に年を取らない少年だから。
彼が、ウェンディ、ジョン、マイケルと出会うところから物語が始まります。
おとぎ話の世界からやってきたピーターパン。
妖精ティンカーベルの魔法の粉によって飛ぶ力を与えられたウェンディたち3人は、ピーターパンと一緒にネバーランドに出かけることになります。
途中、海賊フック船長に襲われたり、嫉妬したティンカーベルによって弓で撃たれそうになったり…と波乱の冒険でしたが、彼女らは島で楽しく暮らし始めました。
しかし、ある時、ウェンディは両親のことを思い出し、ピーターパンに「帰りたい」と打ち明けます。
ピーターパンはウェンディの気持ちを尊重し、元の日常に帰ることになりました。
しかし、そこに再び現れたのがフック船長です。
彼はピーターパンに腕を切り落とされたことがあり、復讐のチャンスをうかがっていたのです。
家に忍び込んだフック船長は、ピーターパンを毒殺しようとしますが、それに気づいたティンカーベルが必死で阻止。
しかし、ピーターパンがティンカーベルを信じてくれなかったため、ティンカーベルは自分でその薬を飲んでしまいます。
妖精の光が消えかけたティンカーベル。
しかし、ピーターパンの涙によって息を吹き返しました。そして、囚われの身となっていたウェンディたちを助けにいきます。
結果的にフック船長はワニに飲み込まれ、ピーターパンたちが勝利を収めました。
そしてめでたく、元の生活に戻ることができたのです。
別れ際にピーターパンは「また会いに来る」と約束しますが、年月を経るにつれてその約束は果たされなくなってしまいます。
それでも、彼と過ごした日々は、ウェンディの心の中で鮮明に輝き続けます。
やがてウェンディも親となり、娘にピーターパンとの思い出を語って聞かせるのでした。
…このように、ざくっとまとめてしまえば、「普通の女の子が、おとぎ話の世界で冒険して成長する」というストーリー。
タロットカードをよく知っている人からすれば、「”戦車”とどういうつながりが?」と疑問に感じるかもしれません。
タロットカード「戦車」との共通点は?
戦車は「7」のカード。
7は、数秘術において「安定していたものを動かす」という意味があります。(数秘術において偶数は安定を、奇数は動きを表します)
つまり、これまで当たり前のように安定していたものや関係に「動き」が生じることを表しているのです。
ウェンディにとって、それはピーターパンとの出会いでした。
おとぎの国から出てきた彼が、彼女の「日常」という停滞を打ち破り、新しい世界へと連れ出してくれたのです。
人間は「変化」を嫌い「安定」を求める生き物ですが、どんな物事も今より前に進めるためには変化が必要です。
「変わること、変えることを恐れるな」というメッセージを与えてくれているという点では、戦車もピーターパンも共通していますね。
しかし、ただ勢いに任せて前に進むばかりではうまくいきません。
戦車なら、左と右の車輪の方向や速度を合わせなければいけませんよね。
私たちの人生も、夢を見るばかりでは生きていくことはできず、現実と折り合いをつけながら目標を設定する必要があります。
このように、このカードは「バランスをとる」ことの大切さも説いているのです。
世界を夢見て活躍する人でも、ふと故郷が恋しくなることはあるでしょう。
誰しも、守られていた平和な時代を思い出し、そこに「帰りたい」と思うことがあるでしょう。
人生は、ただ前に進むだけが正解ではない。かといって、一つの場所に留まり続けていては成長できない。
…ピーターパンは、そのことを身をもって教えてくれる存在なのです。
あなたもすでに、ピーターパンに出会っているかも?
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『ピーターパン』の場合は、
★問いかけの言葉①:「私にとってのティンカーベルは?どうすれば出会えるでしょうか?」
⇒ティンカーベルと出会うことで、ウェンディは「私にも飛べるんだ!」という発見をしました。
これは、一つの「才能開花」や「目覚め」のテーマです。
同じように、あなたもティンカーベルとの出会いがあれば新しい才能を花開かせることができるはず。
「自分には可能性なんてなにもない」と悲観する方も多いですが、そんなことは絶対にありません。
ティンカーベルに出会うために、今何をすれば良いのか?今日からでもできそうなアクションを考えてみましょう。
★問いかけの言葉②:「私にとって、”ピーターパン”の元型は何を意味していますか?彼との出会いによって人生はどう変わるでしょうか?」
⇒ウェンディにとってのピーターパンは、「自分とは異世界の存在」だったと言えるでしょう。
全く違う世界からやってきた人物だったからこそ、その存在はとても新鮮で、キラキラして見えたのだと思います。
やがて、違い過ぎるが故の違和感を覚えるようになるわけですが、彼女が成長するために欠かせない出会いだったことは間違いありません。
では、あなたにとってのピーターパンとはどんな存在でしょうか?
自分とは違う世界の人、「あんな生き方もあるんだなあ。ステキだな」と思える存在をイメージしてみてください。
その人と接点を持つことで、あなたの人生も変わり始めるかもしれません。
あなたが「目指すべき場所」とは?
『ピーターパン』では、「バランス」が一つの大きなテーマとなっています。
夢と現実。
冒険と日常。
刺激と退屈。
前進と停滞。
…それぞれ、どちらか片方だけが膨らんでしまってもうまくはいきません。
何事も、あなたにとって適切な「バランス」があります。そしてそれは、ご自身の成長レベルによっても変わってくるでしょう。
夢を膨らませるべき時期もあれば、地に足を着けて努力しなければいけない時もあります。
「生きる」とは、常にこのバランスの上に成り立っているのかもしれませんね。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
のカードには、「あなたの目に映っている真実を信じなさい」というメッセージも含まれています。
「私の人生は、冒険、バランス、インスピレーションの絶え間ない旅です。私は夢に向かって歩き続けることに集中します。私は真の自分を豊かにするために故郷への旅に出ます」
夢に向かってひたむきに歩き続けていると、ふと本当の自分を見失ってしまうこともあるでしょう。
自分は何者で、なんのために、どこを目指しているのか?
…長い人生、目的を見失うことは珍しいことではありません。
そんな時は、「原点」に戻ることを恐れずにいましょう。
ウェンディたちが夢から覚めて自宅を目指したように、あなたにもきっと「帰る場所」がどこかにあるはずです。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ8枚目の「ピーターパン」についてご紹介しました。
夢の国に生きるピーターパンは、永遠に年を取ることがありません。
それはとても魅力的なように思えますが、いつになっても「先に進めない」ということは、ある意味ではとても孤独でツライことです。
楽しいことにも「終わり」があるからこそ、その一瞬一瞬が尊いと感じられるのではないでしょうか。
インナーチャイルドカードに描かれたピーターパンは、とても勇ましくカッコ良いですが、どこか寂しそうにも見えます。
月も満ちては再び欠けていくように、私たちの人生にも「変化」は不可欠です。
今日が幸せでも、明日はそうとは限りません。
だからこそ、今この瞬間を少しでも良い時間に変えられるように努力すること。
その積み重ねが人生を作っていくのです。
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