インナーチャイルドカード講座17回目の今回は、ジャックとマメの木~吊るされた男~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 13枚目は「ジャックとマメの木」です。
ウェイト版のタロットにおける13枚目(12)は「吊るされた男」で、「忍耐」「発想の展開」がメインテーマとなっています。
では、ジャックと吊るされた男の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「ジャックとマメの木」とは?
「ジャックとマメの木」はイギリスに伝わる童話。
天まで届く不思議なマメの木のイメージだけが強烈で、具体的な内容はあまり覚えていない…という方も多いかもしれません。
まずは内容を簡単におさらいしましょう!
昔、イギリスにジャックという少年がいました。
母と二人、貧しい暮らしをしているジャック。
ミルクが出なくなった牛を売ることになり、その牛を連れて歩いていたところ、不思議なおじいさんと遭遇します。
「牛を売るつもりなら、豆の種と交換しないか?」と提案されましたが、断るジャック。
しかし、「この豆は、天まで高く伸びる不思議な豆じゃ」と聞き、興味津々になります。
結局ジャックは、豆の種と牛を交換しました。
しかし、お母さんはこれに激怒!癇癪を起して豆を投げ捨ててしまいました。
ところが、翌朝になると、本当に天まで届く豆の木が生えていたのです!
ジャックは興奮し、さっそく木を登ってみることにしました。
雲の上までたどり着くと、そこにはお屋敷があり、人食い大男が棲んでいました。
ジャックは、男が眠っている間に「金の卵を産むめんどり」を抱えて逃げようとしましたが、途中で鳥が鳴いてしまい、大男が目覚めてしまいます。
「小僧!待て!食ってやる」
怒った大男がものすごい勢いで追いかけてきましたが、ジャックは逃げ切ることに成功したのです。
地上に帰ってきたジャックは、めんどりのおかげで豊かな生活ができるようになりました。
しかし、欲が出てしまい、「もっと何かお宝が欲しい」と思うようになったのです。
お宝GETを狙い、再び木を登り始めたジャック。
今度は、美しい音色を奏でるハープを狙います。
そのハープを抱えて逃げ出そうとしましたが、
「ご主人様、助けて!」
とまさかのハープが叫び出してしまい、また大男が目覚めてしまいます。
今度という今度は間一髪。
危うくつかまりそうになりますが、ジャックが地面まで駆け戻ると、母親がそのマメの木を切ってしまいました。
人食い男は大きな音を立てて地面に打ち付けられて死んでしまいます。
そしてジャックと母親は、めんどりとハープのおかげで幸せに、豊かに暮らしましたとさ。
タロットカード「吊るされた男」との共通点は?
あなたは、このストーリーからどのようなメッセージを受け取りましたか?
一見すると、一つ前の「ミダス王」の話のように「欲張ってはいけない」というテーマのようにも感じられます。
「じゃあ、吊るされた男との共通点は?」と首をかしげてしまう方も多いでしょう。
しかし、この話の肝は「豆の木のおかげで豊かな生活ができるようになった」という所にあります。
牛を売ってお金にしようとしていたくらいお金に困っていたのですから、いつ芽が出るかもわからない豆と交換してしまったジャックは愚か者に思えるでしょう。
実際、ジャックの母親は激怒しました。
牛を売ってお金を持って帰ってくるだろうと期待していたのですから、その落胆は容易に想像できます。
しかし、最終的にはマメの木のおかげで二人は豊かさを手に入れました。
そこには、「何がキッカケになるかわからない」「お金以外のものが、人生を豊かに好転させるキッカケになる可能性もある」「常に、発想の転換が必要だ」というメッセージが秘められているのです。
これはまさに、吊るされた男のテーマ。
180度ひっくり返った状態で世界を見て初めて得られる「気づき」があるのです。
だから吊るされた男は、苦しい状況にあるはずなのにとても穏やかな表情をしています。
窮地の時こそ、人生を大逆転させるヒラメキを得るチャンスなのかもしれませんね。
ひとつのことにとらわれ過ぎていませんか?
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『ジャックとマメの木』の場合は、
★問いかけの言葉①:「私は何を手放すよう求められていますか?」
⇒ジャックが牛を手放して豆の木を手に入れたように、人生は、何かを手放さなければ得られないものであふれています。
手放すから片手が空き、その手で新しい”何か”を得ることができるのです。
これは心理的な面でもそうですよね。
何かに強く執心しているうちは、他のことに目を向けようと思ってもなかなかできないものです。
だからこそ、今より幸せになりたい!大きな幸運を得たいと思うならば、何かを手放す覚悟を決めることが大事。
さあ、あなたが今手放すべきもの、手放しても良いと思うことはなんでしょうか?
じっくりと自分自身と向き合ってみると自ずと答えが見えてくるでしょう。
★問いかけの言葉②:「物質的世界にとらわれ過ぎていませんか?」
⇒ジャックは、「牛」という物質的に価値あるものを捨てたことで富を得るキッカケを得ました。
また、母親の「豆を放り投げる」という行動にも「物質的なものへの執着を断ち切る」というテーマが象徴されています。
もしあの豆が最初から「金の豆」だったら、母親は捨てなかったかもしれません。
そして、大事にし過ぎてしまったために発芽しない…なんていう展開になっていた可能性も。
放り出したからこそ、発芽に必要な条件がそろったのだとも考えられるでしょう。
このように私たちの人生では、一つのもの、人、価値観にとらわれることなく、時には「放り出す」というアクションが必要です。
物事に対して停滞を感じているのであれば、何か特定のものにとらわれ過ぎているのではないか?と自問自答してみることが大事でしょう。
手放すことがテーマ
『ジャックとマメの木』では、「手放すこと」が一つの大きなテーマとなっています。
仕事も人間関係も恋も、”何か”や”誰か”にしがみついている時はうまくいかないものです。
だからこそ、一旦手放してみるというアクションが不可欠。
タロットの吊るされた男も、「この状況から逃れよう」とあがくことを諦めたからこそ「悟り」の境地に至り、見えてきた新しい世界があるのです。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私は日常生活における”固執”を喜んで手放すことで、高次元の意志とつながります」
ジャックがマメの木を登って雲の上にたどりついたように、私たちも何かちょっとしたキッカケで高次のメッセージ(ひらめきや気づき)を得ることがあります。
そのためには、ジャックが牛を手放したように、大事な”何か”を諦める覚悟や潔さが必要なのかもしれませんね。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ13枚目の「ジャックとマメの木」についてご紹介しました。
ジャックは、なぜ豆と牛を交換したのでしょうか?
あの時点で、豆の木が豊かさを生むことは想像できていなかったでしょうし、単純に「面白そうだったから」という好奇心に負けたのかもしれません。
しかし、それでも良いのです。
彼はマメの魔法を信じ、さらにリスクを冒してマメの木を登り続けました。
そこには強い彼の意志の力が働いています。
ある意味では、このストーリーには「意志あるところに未来は開ける」というメッセージも秘められているのかもしれません。
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