インナーチャイルドカード講座21回目の今回は、ラプンツェル~塔~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 17枚目は「ラプンツェル」です。
ウェイト版のタロットにおける17枚目(16)は「塔」で、「急転」「変化」「覚醒」などがメインテーマとなっています。
では、ラプンツェルと塔の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「ラプンツェル」とは?
「ラプンツェル」というと、ディズニー映画を思い浮かべる方が多いでしょう。
映画のイメージは強くあるけれど、実際にはどんなストーリーなのかよく知らない…。
そもそも、「おとぎ話」だったの?という方も多いのではないでしょうか。
ラプンツェルは、長く美しい金髪の女の子。
ディズニー映画の『塔の上のラプンツェル』はグリム童話の『ラプンツェル(髪長姫)』を元に作られています。
あらすじをざっくりとご紹介しますね。
その昔、「子供が欲しい」と願う夫婦がいました。
ようやく子供を授かった妻は、ある日、魔女の家の庭にある青々としたラプンツェル(葉野菜)が目に入り、どうしても食べたくなってしまいます。
そのことに囚われてしまい、食事も喉を通りません。
日に日にやせ細っていく妻を見かねた夫は、ついに魔女の庭からラプンツェルを盗み、サラダにしてしまいます。
しかし、それは魔女の知るところとなり、「生まれてくる赤ちゃんを渡してくれるなら、好きなだけ摘んで良い」という取引をしたのです。
結果的に、生後、魔女の家で育てられることになった赤ちゃんは、「ラプンツェル」と名付けられました。
彼女は、12歳になった頃、森の中にある塔に隔離されます。
それからずっと、魔女の言いつけを守り、一度も外に出ることなく暮らしていたのです。
その塔には階段やはしごがなかったため、魔女はラプンツェルの長い髪を使って昇り降りをしていました。
ラプンツェルが18歳を迎える頃、ある日、通りすがりの王子がラプンツェルの歌声に魅了されます。
何度か塔の外に訪れ、魔女が塔に出入りしていることを知った彼は、魔女の真似をして塔へ入り込み…。
そして、恋焦がれたラプンツェルのに告白!初めての体験にラプンツェルはとても驚きましたが、やがて彼に心を許し、夜ごと会うようになるのです。
やがてそれは魔女の知るところとなり、怒り狂った魔女はラプンツェルの髪の毛を切り落とし、砂漠のど真ん中に放り出してしまいます。
そんなこととは知らず、塔の窓にくくりつけた髪の毛を登ってきた王子。
ショックのあまり、身を投げて茨に両目を疲れ、失明してしまいます。
その後、何年もさまよっていた王子は、ついに、砂漠でラプンツェルと再会!
彼女は、双子の母親になっていました。(王子の子供です)
ラプンツェルの涙が王子の目に落ちると、王子の視力はたちまち回復!
二人は国に帰り、幸せに暮らしましたとさ。
タロットカード「塔」との共通点は?
タロットカードにおける「塔」は、正直なところ、「あまり出て欲しくない」と思っている方が多いカードの一つではないでしょうか。
雷が塔を直撃し、人がまっさかさまに落ちていく様はとても衝撃的で、インパクトが強いカードです。
しかし、これは必ずしも悪いカードではありません。
塔が崩れることによって、今まで見えていなかった夜空が見える…とも解釈できるのです。
私たちの人生においても、大事な”気づき”を得るためには古い構造や体制、考え方を思い切ってぶち壊す必要があります。
「安らぎ」を打ち砕くような動きが容赦なく生じることは、私たちが今より前に進むために必要不可欠な変化なのです。
ラプンツェルの物語においても、ラプンツェルと王子が引き離されるという”悲劇”は、HAPPYエンドを迎えるために避けては通れない出来事でした。
視力を失ってまでもラプンツェルを手に入れたかった王子の「愛」は本物です。
そして、皮肉にも、そのことに気づくことができたのは魔女の陰謀があったから。
魔女が二人を引き離そうとしたからこそ、二人は本物の愛に気づくことができたのでしょう。
あなたが恐れているものはなに?
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『ラプンツェル』の場合は、
★問いかけの言葉①:「あなたはに必要な”変容”とは?」
⇒誰の人生にも、塔が崩れる瞬間が訪れます。
これまで「あって当たり前」だと思っていたもの、場所、人との関係が突然崩れ、人生観が大きく変わることもあるでしょう。
このカードを引いた時、あなたはまさにそのような”変容”のタイミングを迎えているのかもしれません。
そうだとしたら、その変容は何のために与えられるのでしょうか?
見かけ上は「突然起こる」ように見える塔の崩壊ですが、実際は自分なりに”予感”はあるはず。
そろそろ「変えなければ」「変わらなければ…」と感じている物事があるのであれば、そのことにしっかりと向き合うべきタイミングが来ているのでしょう。
★問いかけの言葉②:「あなたはなぜ、魔女を振り落とさないのか?」
⇒ラプンツェルは、自分の髪の毛によって魔女が塔を昇り降りするのを助けていました。
しかし、考えてみればいつでも振り落とすことができたはず。
インナーチャイルドカードにはまさにその様子が描かれていますが、その表情にはどこか「迷い」も見て取れます。
彼女は魔女の言いつけを守ってずっと塔にいたわけですが、その間も「自由」への憧れはあったでしょう。
このカードを引いたあなたもまた、「何か」や「誰か」に囚われているのではないでしょうか?
それは忖度なのか、それとも依存か、優しさなのか。
いずれにしても今、「なぜ私は不自由な状況に甘んじているのか?」というテーマに向き合うべきタイミングが来ているのです。
「生きること」は、小さな変容を繰り返すこと
『ラプンツェル』では、「変容」が一つの大きなテーマとなっています。
人は、変わることや変える事を恐れる生き物。
なぜなら、そのほうが安全だし、ラクだからです。
ラプンツェルだって、ずっと塔に引きこもっていれば危険にさらされることもなく、余計なエネルギーを使うこともないでしょう。
しかし彼女は、運命の人に出会ってしまいました。
その人と新しい人生を作っていくために、彼女は「変容」を受け入れたのです。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私の人生には、変容と成長が絶え間なく巡ってきます。私はそれを受け入れ、安心して次のステージに進みます」
誰もが、毎日「変容」しています。
肉体的にも精神的にも、昨日と全く同じ「自分」であり続けることなどできません。
その「変容」を否定せず、受け入れ続けること。
小さな変容を繰り返し、肯定し、受け入れ続けていくことで、人生は少しずつステップアップしていくのでしょう。
そして気が付けば、まるで塔のてっぺんほどの高い場所に到達することができるのです。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ17枚目の「ラプンツェル」についてご紹介しました。
コツコツと石を積み重ね、高い塔を作ったとしても、それはある時突然、思いもよらないタイミングで打ち砕かれてしまうことがあります。
しかし、それは、その時のあなたにとって「必要なこと」に目を向けさせるための必然の出来事。
塔が崩れることによって初めて見える真実があります。
ラプンツェルが「本当の愛」を手に入れたように、このカードを引いたあなたにも今、勇気を出して手に入れるべき「何か」があるのかもしれませんね。
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