インナーチャイルドカード講座23回目の今回は、
シンデレラ~月~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 19枚目は「シンデレラ」です。
ウェイト版のタロットにおける19枚目(18)は「月」で、「無意識の世界」や「感受性」、「曖昧さ」などがテーマとなっています。
では、「シンデレラ」と月の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
改めておさらい!「シンデレラ」ってどんな話だった?
『シンデレラ』はグリム童話の名作。
「童話」の代表と言っても過言ではないような作品ですから、知らないという方は少ないでしょう。
しかし、意外と細かい部分のストーリーは忘れていたりしますよね。
改めて、物語の概要をおさらいしてみましょう。
シンデレラは、継母と二人の姉と暮らす少女。
本当の母親は、シンデレラが10歳の時に不治の病で亡くなってしまったのです。
父親が再婚したのは、意地悪な継母。
毎日、シンデレラに過酷な労働を強いていじめていました。
そんなある日、お城から舞踏会のお知らせが届きます。
これは、王子様のお妃探しを兼ねていたようで、「王子様に会える♪」と姉たちは浮足立ちます。
シンデレラも心を躍らせますが、意地悪な継母に「あなたは留守番よ」と言われてしまいます。
継母と姉が出かけて行った後、泣いているシンデレラの前に魔法つかいのおばあさんが現れます。(フェアリーゴッドマザー)
彼女は、魔法の杖で、亡き母のドレスとカボチャ、そしてネズミに魔法をかけます。
すると、そこにはきれいなドレスとカボチャの馬車が。
「魔法は12時まで」
そういってガラスの靴を渡してくれました。
遅れてお城にやってきた美しいシンデレラに、王子様は一目惚れ。
夢中で踊っているうちに、約束の「12時」がやってきます。
慌てて走り出したシンデレラは、ガラスの靴を階段に落としてしまいました。
王子はシンデレラを見失ってしまいましたが、その靴を元に彼女を探し始めます。
シンデレラの家にも、ついに王子の遣いがやってきました。
姉二人も意気揚々と靴を履こうとしましたが、入りません。
もちろん、シンデレラはピッタリ!
それから二人は結婚し、幸せに暮らしました。
タロットカード「月」との共通点は?
インナーチャイルドカードの「シンデレラ」では、大きな満月を眺めるシンデレラの様子が描かれています。
すぐそばには大きな木があり、その根元にお母さんのお墓があります。
そして、多くの鳥たちが描かれているのも印象的ですね。
この樹木は、ハシバミの木。
シンデレラは、父親からもらったハシバミの枝をお墓の近くに植えたのですが、毎日そこで泣いていたので、木はどんどん成長しました。
やがてその木は天の鳥を惹きつける「生命の木」となり、鳥たちの憩いの場になったのです。
実は、古いバージョンのグリム童話では、魔法使い(フェアリーゴッドマザー)は天の鳥として描かれています。
このカードに描かれているのは、まさに、シンデレラが継母に言いつけられた仕事を鳥たちが手伝っている様子なんですね。
鳥たちの助けによって、シンデレラは困難を乗り越えていきます。
つまりこのカードは、シンデレラの大きな悲しみと、精神力の強さを表す一枚なのです。
一方、一般的なタロットカードの「月」も、「感情」や「精神性」を表すカード。
自分自身でも気づいていない無意識の領域や、言葉で説明できないモヤモヤ、曖昧さなどを表しています。
また「女性性」や「優しさ」を象徴するカードであることも、両者に共通している点ですね。
希望の道を進みますか?それとも引き返す?
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『シンデレラ』の場合は、
★問いかけの言葉①:「あなたは、生命の木にきちんと水やりをしていますか?」
⇒言いかえれば、「自分の感情に、日々、きちんと向き合っていますか?」という問いですね。
母親への愛情を「涙」という形で流し続け、大地を潤すことで大きな樹木を育てたシンデレラ。
「悲しみ」は否定的な意味で受け取られることが多いですが、本当はそんなことはありません。
誰かを失ったこと、何か失敗したこと、誰かに傷つけられたこと、あるいは傷つけてしまったこと。
一つ一つ、丁寧に「悲しめる」ということは素直さと誠実さの表れです。
そんなシンデレラだったからこそ、その涙が樹木を育て、鳥たちに助けてもらうことができたのでしょう。
★問いかけの言葉②:「本当にしたいこと、その感情と向き合っていますか?」
⇒シンデレラは、「舞踏会に行きたい」という自分の感情に対してとても素直に向き合っていました。
もしあそこで、「私なんてダメよ」「舞踏会に行く価値なんてないわ」と謙遜していたら、この物語の”奇跡”は起きなかったでしょう。
そう、シンデレラは自分の「やりたいこと」にとても貪欲だったのです。
あなたはどうでしょうか?
ちゃんと「やりたいです!」「それが欲しいです!」と自ら手を上げていますか?
飲食店に行っても、注文しなければ食べ物が出てこないように、願い事もまたオーダーを出さなければ叶いません。
あなたはちゃんと宇宙にオーダーを出せていますか?…とこのカードは問いかけているのです。
月はいつでもあなたを見守っています
『シンデレラ』では、「運命に向き合うこと」が一つの大きなテーマとなっています。
私たちは誰しも運命を背負っており、それは必ずしもラクなものではないでしょう。
しかし、その運命から逃げずに向き合うこと、そしてもがき続けることでようやく手に入れられる幸せがあります。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私は自分の運命の使命と向き合います。宇宙は私に、豊かなご褒美をもたらしてくれるでしょう」
苦しい生活を強いられていたシンデレラですが、彼女は決して希望を忘れませんでした。
そして、虐げられていても人に対する優しさや愛を忘れることはなかったのです。
「そのご褒美として」…というと語弊があるかもしれませんが、苦しい日々を前向きに乗り越えてきたからこそ奇跡のような幸せに導かれたのでしょう。
このカードのように、良い時も悪い時も月は空から見守っています。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ19枚目の「シンデレラ」についてご紹介しました。
シンデレラは、「不幸でかわいそう」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし、実はとても楽観的な面があり、また、強靭な精神力の持ち主でもあるでしょう。
結果だけ見れば、結構、したたかな一面も垣間見えますよね。
一方で、母親の墓前で一人、月を眺めながら涙を流している夜もありました。
このカードを引いたあなたも、今まさに、孤独や不安を抱えながら夜空を眺めているのかもしれません。
しかし、どんな状況であろうとも「願うこと」を忘れないでください。
願いを宇宙に解き放ち、「これが欲しい」と堂々とオーダーを出してくださいね。
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