インナーチャイルドカード講座25回目の今回は、3匹の子豚~審判~についてのお話をしていきます。
インナーチャイルドカードの大アルカナ 21枚目は「三匹の子豚」です。
ウェイト版のタロットにおける20枚目(20)は「審判」で、「判断」や「決断」、「復活」などがテーマとなっています。
では、「3匹の子豚」と審判の間にはどのような共通点があるのでしょうか?
「3匹の子豚」とは
三匹の子豚は、兄弟の子豚がそれぞれ家を作るというお話。
各々違う素材で家を作る…という、西洋に古くからある有名な童話です。
なんとなく知っていても、詳しいオチの部分まではご存じない方も多いかもしれません。
あらすじをざっくりおさらいしてみましょう。
三匹の兄弟は、お母さんブタの元から巣立ち、それぞれの家を作ります。
長男はわらの家。次男は木の家。末っ子はレンガの家。
レンガの家は作るのに時間がかかりましたが、兄たちにバカされながらも末っ子は最後まで頑張って作り上げました。
すると、そこへ腹ペコのオオカミが。
わらの家は吹き飛ばされ、木の家は燃やされて、最後に残ったのはレンガの家でした。
オオカミと末っ子の知恵比べの結果、末っ子ちゃんがオオカミをやっつけることに成功!
煙突から家に忍び込もうとしたオオカミを、釜茹でにしてお母さんと一緒に食べたのです。
この物語から得られる教訓は、「時間がかかっても、手間暇かけて丁寧に作ったものは丈夫で長持ちする」ということ。
実際にレンガの家は作るのは大変ですし費用もかさみますが、オオカミには手も足も出ませんでした。
タロットカード「審判」との共通点は?
実際のところ、日本では古くから「木の家」が主流なので、あまりピンとこないかもしれません。
しかし、レンガの家は耐久性が高く、寿命が70年以上。
メンテナンスにかかるランニングコストも抑えられます。
また、建物自体が重くなるため、耐震性が高いという特長もあるのです。
そんな「レンガ」を家の素材として選んだ末っ子ブタは、元々の性格は「臆病」。
だからこそ、自分を守るために、丁寧に時間をかけて頑丈な家を作ったのです。
実際のところは、兄弟の中で最も冷静で、勇敢なブタであったことが物語を通じて伝わってきますね。
そこから、「人を見た目で判断してはいけない」「ピンチの時ほどその人の本質があらわれる」という教訓も得られそうです。
一方、一般的なタロットカードの「審判」も、大まかに言えば「これまでの行いの結果が出る」「裁きが下る」というような意味があります。
有名な、レオナルドダヴィンチの「最後の審判」を思わせるカードで、死者が神の裁きを受けるシーンが描かれています。
そこには、「苦難の末に、良い知らせがくる」「大きな節目を迎える」といった意味があります。
まさに、末っ子ブタは努力の末に勝利を勝ち取りました。
両者に共通しているのは、「苦しくても、簡単にあきらめてはいけない」「努力はきっと報われる」という希望溢れるメッセージなのです。
苦手なことと向き合うからこそ強くなれる
インナーチャイルドカードは、単なる占いのツールではありません。
今の自分や過去の自分と向き合い、未来につながるような気づきや癒しを得るツールです。
ですから、出たカードにじっくり向き合うことが大切です。
そして、さらに自己理解を掘り下げるための「問いかけ」や「アファメーション」の言葉が与えられています。
『三匹の子豚』の場合は、
★問いかけの言葉①:「足元をしっかり固めるために、私が今すべきことは?」
⇒「自分は臆病だし、弱い」という自覚があったからこそ、末っ子は、兄たちよりも時間がかかったとしても頑丈な家を作ろうと決めました。
この発想は、西洋占星術で言うと「地の星座」の性質を思わせますよね。
末っ子は、自分自身を冷静に見極めることができる冷静さと、コツコツ努力を積み重ねる忍耐強さを併せ持っていたのです。
このカードを引いた時は、あなた自身が自分を守るためにできること、やるべきことを見極めるタイミングかもしれません。
もしかしたら、少し結果を焦っている時期かもしれませんね。
「急いては事を仕損じる」を肝に銘じて、足元をしっかり固めることに注力しましょう。
★問いかけの言葉②:「”恐れ”にしっかり向き合えていますか?」
⇒「毎日、自分の嫌いなことを二つ行うことは魂のために良い」
これは、作家・サマーセット・モームの言葉ですが、魂を成長させるためにはあえて苦手なことに立ち向かい試練を引き受ける必要があります。
実際、筋肉だって過酷なトレーニングに耐えるからこそ鍛えられますよね。
それは心や魂も同じなのです。
易きに流された長男や次男とは違って、末っ子はあえて困難な道を選び、努力を重ねました。
だからこそ最終的には強くなれたのだと思います。
あなたにとって、向き合うべき「苦手なこと」とは何でしょうか?
このカードを引いた時は、まさにその「苦手」に向き合うべき時が来たというメッセージかもしれませんね。
今日の自分が明日の自分を創る
『三匹の子豚』では、「自己理解」が一つの大きなテーマとなっています。
末っ子の子豚が、自分の非力さを知っていたからこそ知恵を働かせたように、私たちにとっても「自分を知る」ということは何にも勝る戦法になるでしょう。
ゆえにこのカードには、次のようなアファメーションの言葉が与えられています。
(※アファメーションとは?…肯定的な自己暗示。自分で自分に前向きな言葉で魔法をかけることです。アファメーションを行うことで、幸せな未来を引き寄せやすくなると言われています。)
「私は自分をよく理解することで自らを導き、サポートできるような観察者になります」
ただただ、「僕は弱いから」「僕はダメだから」とぐずぐずしているだけでは、あっという間にオオカミに食べられてしまいます。
望む未来を創るためには、今日の自分をよく観察し、今日の自分ができることに注力することが大事。
明日の自分を創るのは、他でもない今日の自分自身なのです。
まとめ
インナーチャイルドカード 大アルカナ21枚目の「三匹の子豚」についてご紹介しました。
どんなに運命に抗おうとしても、その流れに押し流されてしまうことは誰にでもあると思います。
しかし、そんな時であっても自分自身や状況を俯瞰できる冷静さがあれば、やがては自分に有利な流れをつかみ取ることができるでしょう。
大事なのは、人になんと言われようとも、状況がどうであっても、自分自身の可能性を信じ抜くこと。
強い意志を持ち続けることができれば、あなたもきっと”オオカミ”から大切なものを守り抜くことができるでしょう。
コメント