インド占星術×カルマ講座では、インド占星術をカルマという視点でご紹介していきます。3回目の今回は「出生図の水星とカルマ」というお話をしていきます。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
カルマができるのは行動だけではない
ヴェーダでは、カルマは行為という意味ではありますが、行動とは実際に体を動かした行動だけを指すのではありません。
発する言葉によっても、カルマになるということ。
カルマは3種類の方法、つまり「考え」「行動」「言葉」によって出来るということですね。
カルマとはおさらいすると、自分自身の行ったことの結果は自分で刈り取る必要があるという意味ですね。
ですので、良いカルマも悪いカルマも、魂の旅において人生で出現するということになります。
今回は水星に関わるカルマのお話をしていきます。
出生図の水星×カルマ
水星とは、言葉や思考、学びなどを象徴する惑星ですね。
ですので、水星と関わるカルマとは、「言葉」「思考」によってできるカルマということになります。
実際の天文学上の水星は、順行することもあれば逆行することもあります。
太陽の腰巾着などという呼ばれ方をすることからもわかる通り、水星は太陽と一定の距離を保ちながら進んでいる惑星になります。
前進したり、後退したり、太陽に近づきすぎると少し離れ、離れすぎると引き戻される。そんなイメージです。
そんなことから、月と同様に水星もとても不安定な星だということが表されていますね。
水星が象徴するように、私たちの言葉や思考も不安定です。
今日は感謝の言葉を使っていたのに、明日はまた感謝の気持ちがなくなってしまい、憎まれ口を叩いてしまう・・
なんていうことも、実際によくある話です。
そして、口から出す言葉がカルマとなるのです。
生きていると、無意識に他者を傷つけてしまうこともあるものです。
自分自身の中でも整理できていないことを、口から出してしまうこともあるかもしれません。
自分自身の口から出す言葉、例えば大切な人に向かって否定的なことを言ってしまったり、人を傷つけてしまうことによってカルマができるということですね。
水星と三つのグナ
ヴェーダでは、
人生におけるどんな行動も「タマス」「サットヴァ」「ラジャス」に分類できると言われています。
簡単に説明すると、タマスのエネルギーは、物質的な低いエネルギーで、サットヴァのエネルギーは純粋な高いエネルギーになります。
そして、ラジャスはタマスとサットヴァの間の若々しい、不安定なエネルギーのことを指します。
言葉も同じように分類でき、タマス的な重たい波動の低い言葉を使っていると、カルマをどんどん増やしてしまうことになる。
そして、サットヴァの言葉を使っていくことで、どんどんエネルギーが上がっていくということになります。
ヴェーダの考え方も、感謝の言葉だったり、愛の言葉を使っていくことで波動を上げていくことができるのと同じ意味合いですね。
占星術のチャートも、サットヴァ的な視点からみるということは、カルマについて知るということ、そして、カルマを浄化するためにはどうしたらいいのか?伝えてていくことがとても大切だということです。
自分自身から出す言葉を操るためには、まず思考部分を改める必要があります。
思考によって、何が意識の中にあるのかによって、出てくる言葉が変わるためです。
水星は、インドのナヴァグラハの神話では、月から生まれた息子、ブッダになります。
つまり、ブッダである水星は、月の象徴する心の一部でもあります。
月から生まれた息子なのですから。
だからこそ、水星も月の不安定さを受け継ぎ、不安定な部分を持っていると考えることができるということ。
ヴェーダでは、間違った思考によって作り出されたカルマのことをマナカルマと呼びます。
マナ=思考、心のこと。
どのように思考を表現するのか?は水星によってコントロールされ、心は月によってコントロールされているということですね。
この世界は、すべて両極で出来ています。
陰の要素もあれば、陽の要素もある。
どんなに辛い局面においても、必ず、視点を変えてみれば良い要素もあるということ。
どんな思考の持ち主なのか?
自分自身の思考についてあらかじめ把握しておくことも大切ですし、どんな惑星の影響を受けているのか?
知っておくことも大切です。
そして、自分自身を知った上で、どうコントロールしていくか?
を学んでいくことが、人生ではとても大切だということですね。
少し前に「ありのまま」という言葉が流行りましたが、もちろん自分自身の心を解放してあげることはとても大切ですが、自分がしたいことをなんでもすることを許すこと=ありのままではありません。
人を傷つけていること、誰かに迷惑をかけていることに気づかずに傍若無人に振る舞い続けたりすることで、心が「タマス」に傾いたりもします。
自分自身に目を向け過ぎてしまうと、自分自身の言動により、お相手が傷ついてしまっていることにも気づかずにいます。
人は、自分が言ったことはあまり覚えていませんが、人から言われたことは、何年も、何十年も覚えているものです。
ですので、自分自身の言動には責任を持つ必要があるということですね。
まとめ
それではまとめです。
インド占星術×カルマ講座の3回目は、水星とカルマについてのお話をしてきました。
カルマは、行動によってのみできるのではなく、言葉や思考によっても出来るものです。
言葉によるカルマは出来やすいカルマなので、自分の口から何を発するのか。
意識しておく必要があるということですね。
言葉はブーメランとして、自分自身に戻ってきたりするものです。
目の前のお相手の言動を見て、自分自身を知ることもできます。
言葉もカルマになるということを意識していると、「なんてことを言ってしまったんだろう」と後悔することが日常で減っていくはずです。