インド占星術×カルマ講座では、インド占星術をカルマという視点でご紹介していきます。4回目の今回は「出生図の月とカルマ」というお話をしていきます。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
月はインド占星術で一番大切な惑星
インド占星術では、月は一番大切な惑星です。
なぜなら、ヴェーダでは「心のあり方」を一番重要視ているためです。
月といえば、心でありマインドです。
逆の視点から見ると、心は月によってコントロールされているということもできますね。
ヴェーダでは、心の乱れを良しとしません。
例えばアーユルヴェーダの考え方では、心の乱れを病気の始まりという見方をしたりもします。
心と体は繋がっているものだからです。
私たち人間は、生きていく中で心をコントロールし、落ち着かせる術を学んでいく必要があります。
では、なぜ心はこんなにも落ち着きがないのか?
月というのは、惑星の中で一番早く動く星であり、新月から半月、そして満月へとせわしなく満ち欠けを重ねていく惑星だからです。
これらの月の満ち欠けが、私たちの心に影響を与えていると言われています。
つまり、感情的、精神的なストレスを感じやすいということ。
月は、27個のナクシャトラ、月の宿を渡り歩きながら、満ち欠けをする中で毎月異なる星座で満月を迎えます。
常に変化し続けています。
そのため、私たちの思考を変化させるほど、月が私たちに与える影響は大きいということなのです。
インド占星術の出生図の月は、マインドをコントロールする能力を示していると言われています。
心の性質は、月を見てわかるように、常に変化し続けています。
出生図の月は、月がどんなカルマと繋がっているのか?
を教えてくれています。
つまり、今世に持ち込んだ感情的エネルギーはどんなエネルギーなのか?
それと共に、どう自分自身のマインドをコントロールすればいいのか?
示してくれています。
不安定な月のコントロール方法
では、そんな不安定な月をどうコントロールすればいいのか?
その術を教えてくれているのが、ヴェーダの叡智になります。
ヴェーダでは、月は不安定なものであること。
だから、コントロールする必要があること。
コントロールするために、ヨガを含むヴェーダの叡智を勉強することを私たちに教えてくれています。
古代の賢者たちは、
・占星術は知識を得るため
・ヨガの叡智は、心を落ち着かせるため
に学んできました。
知識を得ることで、心をコントロールできるようになることを知っていたのかもしれません。
月はせわしない存在で、早く動いているから心が乱される。
ということを知っていることで、自分自身の心を理解できるようになります。
結果として、無駄に振り回される必要もなくなっていきます。
月のカルマは、ヨガなどを行うことで浄化されていく。
ヨガは練習の積み重ねによって、より深いレベルに到達することができます。
瞑想等も同じですね。
ヨガのアーサナをすること、プラーナ・ヤーマの呼吸法を実践すること、瞑想を行うこと、マントラを唱えることなどは、ただの出発点であり、目的ではありません。
心を穏やかに保つという目的のために、
ヨガやプラーナヤーマや瞑想、マインドコントロールを行う。
そして、学びにより知識を得ることで不安から解放されるために、ジョーティッシュを学んできたということですね。
月は、こうしている瞬間にも満ち欠けを繰り返しています。
月の神話でもわかるように、月には27人の妻がいて、毎晩27人の妻のところを渡り歩いている存在です。
そこから分かることは、月は1つのことに固執しないということ。
それはまさに、私たちの心を表しているということなのではないでしょうか?
古代のインドでは、真っ暗で電気がない時、月に導きを求めていました。
暗闇の中で、導いてくれる存在だった。
つまり、月という惑星は、魂の光を見つけたいと思ったとき、導きを与えてくれる存在とも言えるのではないでしょうか?
月のサイクルを理解すること、それを意識して過ごすことも、一つの占星術の療法です。
知識を得ることで、今はこういう時だからと考えることができるということですね。
カルマを手放すためには、まずカルマを知る必要があるということ。
カルマを知り、カルマを手放す方法を学んでいくことで、私たちの魂は成長していきます。
まとめ
それではまとめです。
インド占星術のチャートを読む際に、月はとても大切な惑星だということ。
そして、月は私たちの心と密接に関わる存在だということ。
インド占星術では、チャンドララグナと言って、月をラグナにしてチャートを読む手法もあったりします。
それだけ月は重要な惑星だということを、心に留めておくことで、見えてくることがあるのではないでしょうか?