カバラ生命の樹講座5回目の今回は、 ユダヤ教とカバラの関係とはについてのお話をしていきます。
「カバラ」という言葉から、「神秘的な占い」「怪しい秘儀」あるいは「カルト」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、その本質はユダヤ教の深遠な思想に根ざした「神秘主義」。
そもそも、カバラとは「受け継がれた伝統」を意味するヘブライ語です。
現代では、カバラは宗教の枠を超えて「自己成長」や「宇宙の法則」を理解するためのツールとしても親しまれています。
今回は、カバラの宗教的背景と現代的解釈の違いをわかりやすく解説し、両者がどうつながっているのかを探っていきましょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
カバラとユダヤ教
カバラはもともとユダヤ教の神秘主義思想として発展しました。
ユダヤ教において、カバラは表面的な教え(律法や戒律)だけでなく、「神の意図」や「宇宙の真理」を解き明かそうとする内面的な探求です。
例えば、旧約聖書には天地創造や神の言葉が記されていますが、カバラの学者たちはその文字や数字の背後に隠された「エネルギーの流れ」や「宇宙の構造」を読み取ろうとしました。
言って見れば、ユダヤ教の中でカバラは一種の「裏メニュー」のような存在なのです。
特に重要な象徴が「生命の樹」。
生命の樹は10個のセフィロト(神の属性)と22本のパス(つながり)で構成され、神のエネルギーが高次元から現実世界へと流れる過程を示しています。
この図は、「宇宙の設計図」とされており、人間の精神的成長や神との一体化への道筋を示しているとも言われているのです。
ユダヤ教におけるカバラをわかりやすい言葉で表現するなら、「宇宙という壮大な本の解読作業」とでも言えるでしょうか。
本のページには見える文字と見えない意味があり、カバラの学者たちはその隠されたメッセージを読み取ろうとする研究者のようなものでした。
例えば、聖書のある一文に数字や言葉のパターンを見つけ、それを解釈することで「神の計画」や「人間の使命」を理解しようとしたのです。
宗教を超えた自己成長のツール
現代のニューエイジ思想では、カバラはユダヤ教の枠を超え、「自己啓発」や「スピリチュアルな成長のためのツール」として広く取り入れられています。
宗教的な戒律や学問としての厳格さよりも、誰もが日常生活に活用できるシンプルな形で解釈されているのです。
特に「生命の樹」がシンボルとして注目され、各セフィロトは人間の内面や成長の段階と結びつけられます。例えば、
ケテル(王冠)…自己の中にある「無限の可能性」や「純粋な意識」。
ティファレト(美)…自己受容や心の調和。
マルクト(王国)…現実世界での目標達成や自己実現。
このように、生命の樹は一種の「精神的成長のマップ」として使われ、占いや瞑想、エネルギーワークに応用されています。
例えるなら、「人生の地図やガイドブック」といったところでそう。
「今、自分は人生のどの段階にいるのか?」「次に進むためにどのエネルギーが必要か?」といった自己探求のツールとして生命の樹を使います。
旅行で地図を広げるように、自分の心の状態や目標を見つめ直すための羅針盤として役立つのです。
どちらも目指すものは「真理」への探求
ユダヤ教におけるカバラと現代のニューエイジ的な解釈には違いがあるものの、どちらも根本的には「真理を知り、自己を高める」という共通の目的があります。
ユダヤ教のカバラは伝統や学問として深く探求し、ニューエイジのカバラは日常にすぐに取り入れられる形で広がっています。
どちらの形であっても、生命の樹のエネルギーやカバラの思想は、私たちに「自分自身や宇宙とのつながり」を感じさせてくれるのです。
カバラの教えは非常に哲学的ですが、日常生活に通じる実用的な知恵も多く含まれているのが魅力。
私たちの生活や人間関係にも同じようにバランスが必要です。
たとえば、子供を育てるときには愛情を持つこと(慈悲)が大切ですが、時にはルールを守らせるための厳しさ(厳格)だってなければいけないでしょう。
このように、両方の性質を適切に使い分けることが、良い結果を生むという教えです。
また、カバラでは、人間は「光を受け取る器」に例えられます。
ここでの「光」は神の恵みやエネルギーを象徴していて、私たちの心が感謝の気持ちで満たされるほどさらに多くの幸せを受け取る器が広がるとされています。
これは、毎日の食事に感謝する習慣を持つと日常がより豊かに感じられるのと似ていますよね。
感謝を通じて心の器を広げることで、私たちは人生の喜びをより多く受け取ることができるのです。
まとめ
カバラは「神秘の知恵」として、宗教的な背景を持ちながらも時代と共に形を変え、現代ではスピリチュアルな自己探求のツールとして多くの人々に受け入れられています。
もしあなたが日々の生活で迷いや不安を感じたら、カバラの知恵や生命の樹を使って「自分の今いる場所」と「次に向かうべき道」を考えてみると良いでしょう。
それはまるで、夜空に輝く星を頼りに進む旅人のように、あなたの人生の旅を導いてくれる光となるはずです。