ルノルマンカード講座、2回目の今日は、ルノルマンカードの法則性について解説していきます。
たくさんのものがあると、何かしらカテゴリー分けしたくなるのが人間の性。
ごちゃごちゃしている状態よりも秩序のある環境のほうが集中力が高まることもわかっているので、それは自然なことです。
ルノルマンオラクルカードも例外ではなく、36枚あると「なにか法則性はあるの?」「タロットカードのように”スート”で分けられたりするの?」「大アルカナと小アルカナみたいな違いはあるの?」と気になりますよね。
まずは36枚をテーブルにランダムに並べてみましょう!
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
トランプの記号で分類してみる
全てのカードを見渡して、パッとひらめくのは「それぞれのカードに描かれているトランプの記号別で分類したらどうだろうか?」ということ。
ハート、ダイヤ、スペード、クラブと4種類ありますので、まずは記号別にカードを分けてみましょう。
1、6、7、8、9、10。それに、ジャック、キング、クウィーン。
全てのスートについて、このような構成になっていることがわかります。(つまりそれぞれ9枚ずつ同じ番号の組み合わせになっています)
タロットカードの小アルカナであれば、各スートについて1~10までの10枚と、4枚のコードカード(ペイジ、ナイト、クウィーン、キング)で14枚構成になっていますよね。
やはり、タロットカードとは似て非なるものだということがわかります。
それにしても、なぜ1と6の間の数字は抜けているのでしょうか。
各スート9枚を一続きで並べるとしたら、どのような順番で並べれば良いのか。
サンプルとして、ハートのカテゴリー9枚でストーリーを紡いでみましょう。
「ハート」のスート
ハート1(28紳士): 象徴カード(相談者本人、あるいは影響を与える人物
ハート6(16星): 夢、導き、ビジョン
ハート7(5樹): 健康、心と身体のバランス、安定、成長
ハート8(32月):夢心地、良い兆し、良いムード
ハート9(1騎手):急ぎのメッセージ、新しい情報
ハート10(18犬):素晴らしい友情、援助
ハートのジャック(24ハート):愛、喜び、恋、ロマンス
ハートのクウィーン(17コウノトリ):変化
ハートのキング(4家):住環境、身近な人との関係、出会い
この並びでストーリーを作ることもできますが、伝統的にはハートの数ではなくカードそのものの番号順に並び変えて意味をくみ取ります。
(※上記のようにハートの数で並べた場合の解釈については、(③ハートのカードの意味~タロットの「カップ」~)の記事で掘り下げていきます)
1騎手(馬) ⇒ 4家 ⇒ 5樹(森) ⇒ 16星 ⇒ 17コウノトリ ⇒ 18犬 ⇒ 24ハート ⇒ 28紳士 ⇒ 32月
まず新しい出会いがあり、その関係が成長していく。
するとその関係性から新しいビジョンが生まれ、どこかのタイミングで大きく変化して素晴らしい信頼関係が生まれる。
そして愛が生まれ、ロマンティックな良いムードが生まれる。その関係に耽溺する。
ざっくりとではありますが、このようなストーリーをわりと自然に作り出すことができます。
各スートが意味すること
ハートのカテゴリーのストーリーで描かれていたのは、他者との間に生まれる「情」。
タロットカードでいうと「カップ」のスート、属性で言うと「水」に相当します。
それぞれ個別の記事で詳しく解説しますのでここではカットしますが、他のカテゴリーも番号順に並べてストーリーで見ていくと、いずれも以下のようにタロットカードのスートと対応していることに気付くでしょう。
ダイヤ = ペンタクル(お金、物質、現実、土)
クラブ =ワンド(情熱、行動、火)
スペード=ソード(思考、知識、情報、風)
このカテゴリー分けができると、カードの意味を感覚的に理解しやすくなります。
たとえば「1騎士」はハートの9ですから、「愛情や人の感情全般に関係するメッセージを伝えるカードなのかな」と想像がつきますよね。
出逢いが近づいてくる、「待ち人が来る」と読む占い師さんもいます。
「ハート=カップ=愛情」というプレ知識があるからこそ、そこまでスムーズに読めるわけですよね。
やはり、タロットカードをかじったことがある方はルノルマンオラクルカードとの関係も構築しやすいのではないでしょうか。
なぜ、今人気なの?
ルノルマンオラクルの原型となったのは、18世紀に親しまれていたカードゲームでした。
いわゆる「すごろく」のような感じのゲームで、やがてそれを占いに応用するようになったそうです。
マドモアゼル・ルノルマンが謎に包まれた人物であったことも相まって、このルノルマンオラクルカードは長らく専門家の間でも「どこか疑わしいもの」「信ぴょう性がないもの」として扱われていたようですが、ここにきてその奥深さが認められ始めたとのこと。
世界的に有名なタロットカードリーダーや研究者たちも注目し始め、解説書も多く出版されるようになりました。
タロットカードがそうであるように、ルノルマンオラクルもいろんな作家さんによってリメイクされていて、ライダーウェイト版のタロットでおなじみのパメラ・コールマン・スミス氏が手掛けたものもあります。
31番の「太陽」の絵柄などは、タロットカード大アルカナ19番の「太陽」とそっくり!
描かれている人や物は同じでも、デザイン(色使いや絵のテイスト)によって受け取るインスピレーションも違ってきますので、機会があればぜひいろんなルノルマンカードに触れてみることをオススメします。
なぜ2~5はぬけているの?
それにしても、なぜ各カテゴリーの2~5の数字は抜けているのでしょうか。
タロットカードに慣れている方からしてみれば、「中途半端に6~10だけなのが気になる!」とモヤモヤしてしまうかもしれません。
これについては、ルノルマンカードがタロットではなく伝統的なトランプ占いのルールに基づいて作られているからだと理解すると良いでしょう。
日本ではトランプといえば52枚セット(13枚×4スート)が定番ですが、海外では必ずしもそうではありません。
このルノルマンオラクルのように36枚でワンセットのトランプもあれば40枚でワンセットのものもあって、様々。
例えばロシアで流通しているトランプは36枚で、ハート、ダイヤ、スペード、クラブの4種類に分けることができますが、実はどの記号も2~5は抜けているんです。
ロシアではこのスタイルで行う「ドゥラーク」というゲームが人気で、2~5が抜けているのは特におかしなことでもなんでもありません。
マドモアゼル・ルノルマンもまた36枚のトランプカードを使って占いをしていたことがわかっていますので、もしかしたらルノルマンカードのルーツはロシアのトランプゲームにあるのかもしれませんね。
ルノルマンカオラクルについてはまだまだ謎も多いので、トランプとの対応についても調べていくとまだまだ面白い発見がありそうです。
【まとめ複雑に見えてちゃんと法則性はある!
36枚あるルノルマンオラクルカードをカテゴリ分けする概念についてご紹介しました。
大事なポイントを整理します。
・ルノルマンオラクルカードは9枚ずつ、4つのカテゴリーに分けることができる
・4つのカテゴリーはそれぞれタロットの4スート(ワンド、カップ、ソード、ペンタクル)に対応している
・一つの可能性として、ルノルマンオラクルカードはトランプ占いと密接な関係がある
一見、「わけがわからない神秘的なカード」のように見えるルノルマンオラクルカードですが、タロットやトランプなど私たちにとってなじみ深いカードと比較して見ていくと一定の法則に基づいて作られていることに気づきます。
複雑そうに見えて、与えてくれるメッセージは意外とシンプルでわかりやすかったりもするので、タロットカードのリーディングと併せてアドバイスカードとして使う占い師さんも多いです。
まずは「とっつきにくそう」「わかりにくそう」という先入観を取り払うことがリーディング上達への近道と言えるでしょう(*´∀`*)
コメント