マルセイユタロット講座、3回目の今回は、マルセイユタロットとウェイト版との大きな違い、小アルカナ編についてご紹介していきます。
マルセイユ版のタロットでつまずきやすいのが、小アルカナのリーディング。
ウェイト版のリーディングが通用しないため、戸惑ってしまう・・・という声も多いです。
具体的にどう違うのか?
わかりやすい違いや、リーディングのコツについてご紹介します。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「数札」には人物が描かれていない!
大アルカナはウェイト版を知っていればなんとなくリーディングできるでしょう。
しかし、問題は小アルカナ。
マルセイユ版の場合、小アルカナの解釈でつまずいてしまう方が非常に多いようです。
なぜなら、小アルカナの「数札」にストーリー性がないからです。
ウェイト版は、数札にも人物が描かれていたりして、1~10で一つの物語として読めるようになっていますよね。
カードのことを全く知らなくても、パッと見た絵柄の印象を元に”なんとなく””それっぽく”リーディングできるというわけです。
しかし、マルセイユ版はそうはいきません。
まるでトランプのように、棒、剣、カップ、金貨と数が描かれているだけ。
これだけでは、「なんのこっちゃ?」という感じですよね。
これは、もともとタロットカードが「占い」ではなく「遊び」のツールとして生まれたものだったことが関係しています。
今で言うところのトランプのようなものだったため、そこにストーリーをつける必要がなかったのです
数秘術も勉強しておくとリーディングの幅が広がる!
では、コートカードはどうやって読むか?
正解はないので、「霊感を生かして読みます!」という方もいるでしょう。
実際、マルセイユ版の小アルカナのほうがメッセージを受け取りやすいとおっしゃる占い師さんもいます。
しかし、そのような特殊な力がないのであれば、数で読むしかありませんよね。
そこで生きてくるのが、数秘術の知識です。
数秘術では、それぞれの数字に成り立ちや意味、固有のエネルギーがあると考えられていて、例えば「1」は物事の始まり、立ち上がり、スタート、リーダーシップを表しています。
2は調和。3は、「新しい視点」「コミュニケーション」「安定しているところから一歩前進」「遊び心」
4は安定、足元固め、努力。5は行動、冒険、・・・
最後の「9」は全ての数の要素を持つと言われていて、物事の完成、ボーダレスな広がり、不要なものを手放すことなどを表す数です。
この「数」の意味と、各スートの意味を組み合わせてリーディングしていくというのが最も初歩的でやりやすい方法かもしれませんね。
Wandの1なら、情熱が立ち上がる。Swordの1は知恵が生まれる。Cupの1は心が動く、愛を感じる。Coinの1は臨時収入がある、実りになる知らせが入ってくる・・・このような感じです。
ウェイト版をマスターしていれば各スート(元素)が意味するところはわかるでしょうし、あとは数のざっくりした意味だけでも頭に入れておくと小アルカナもラクにリーディングできるようになるでしょう。
実はマルセイユ版のほうがオススメな理由
「え、、でもやっぱりわかりにくいよね。私は断然、ウェイト版派だな」と思われた方も多いでしょう。
しかし、実際に自分が誰かを鑑定する立場になって考えてみてください。
あるいは、鑑定してもらうお客様の立場だったら。
「元カレと復縁できますか?」
というご相談だったとして、いきなり「塔」や「Sword10」が出たらどうでしょうか?
ウェイト版を見た人はきっと、「うわっ。無理なんだ・・・。復縁できないのか」と思ってしまうでしょう。
実際は、塔が崩れることによって見えてくることがあったり、ショックな出来事があるにはあるけどかえってそこから希望の星がのぼる・・・と前向きにもとらえられるカードですよね。
Sword10も、「彼は仕事で忙しいみたい。今は恋愛よりも仕事って感じだね」と読むこともできるでしょう。
しかし、きっと相談者はショッキングなその絵柄のインパクトが強すぎて、悪い想像ばかり膨らんでしまうのではないでしょうか。
「思考は現実化する」という言葉がありますが、そうなると本当に悪い方の現実を引き寄せてしまうことがあります。
その点、マルセイユ版は「塔」も「ソート10」もパッと見た印象ではあまりネガティブを連想させない絵柄ですよね。
「Sword10」は剣が10本描かれているだけですし、「塔」にしてもカラフルな雫が降っていて、むしろ良い意味のカードに見えます。
長い目で見て、その相談者の恋愛が叶うのか、叶わないのか?
イメージしたことが現実になるのだとしたら、マルセイユ版のほうが幸せな未来につながるかもしれません。
このように、相談者がカードを見てそこから何かを感じ取ることを前提として考えれば、タロットカードはわかりやすい絵柄のものよりも、少々難解なくらいのデッキを選んでおいたほうが賢明です。
【まとめ】小アルカナは数だけでも十分、読める!
「小アルカナ」について、ウェイト版とマルセイユ版の違いについて見てきました。
一見、マルセイユ版のほうは「わかりにくい」「リーディングしにくい」と思うかもしれませんが、実はそれがプラスに作用することもあります。
それぞれに個性がありますので、どちらが良い/悪いの問題ではありませんが、長い目で見ればマルセイユ版に対しても苦手意識を持たずに勉強しておくことをオススメしたいですね。
合わせて数秘術やカバラの知識も自然と身に着くので、リーディングそのもの深みや幅も出てくると思います。
まずは全ての小アルカナカードを並べてみて、各スートの”クセ”をつかみましょう。
人物が描かれていなくても、「ポジティブなカードか」「それともマイナスな要素が強いカードか」は直感的に見極められるようになります。
余計なものが描かれていないからこそ伝わってくるもの、思い浮かぶ”なにか”を大切にしましょう。
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