マルセイユタロット講座、6回目の今回は、正面を向いているカードについてご紹介していきます。
マルセイユ版のタロットカードでは、登場する人物の「顔」にもぜひ注目してみてください。
ウェイト版と並べて比較してみると歴然たる違いがあり、その違いに着目することでリーディングに深みが出ることでしょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「顔の向き」には重要なメッセージが含まれている
マルセイユ版では、ウェイト版以上に「登場人物の顔の向き」がリーディングの重要な要素となります。
まずは大アルカナだけでも良いので、カードを全て並べて見比べてみましょう。
真正面を向いている人物もいれば、真横を向いていたり、斜め横を見ているキャラクターもいますね。
大アルカナの1~5だけ見ると、顔の向き・視線ともにしっかりと正面を向いているキャラクターはひとりもいません。
ウェイト版では全員正面を向いていますから、これはちょっと不思議な感じがしませんか?
なんだか気味が悪い・・・という違和感を覚える方もいるでしょう。
マルセイユ版タロットの世界において、正面を向いている人物は公平で中立な立場を表しています。
やましいこともなければ、思考に偏りもないため、あなたのほうをまっすぐ向いているというわけ。
例えば大アルカナなら、8番の「正義」に描かれた人物は正面を向いていますね。
このカード自体が「公平」や「中立」「生当性」を意味していますから、これは当然のように思えます。
左手に持った天秤でしっかりと物事を客観的にジャッジし、右手の剣でバッサリと斬る。
そこには私情をはさむ余地もないでしょう。
「吊るされた男」は何を思うのか?
番号順でいくと、次に正面を向いているのは12番の「吊るされた男」です。
彼は、身体こそひっくり返っていますが、顔も視線も真正面を向いていますね。
彼には、命を投げ打ってでも貫き通したい信念があります。
だから、こんな瀕死の状態でも表情や目には力があるんですね。
現実世界での状況に照らし合わせてみれば、成す術もない万事休すの状態。
手も足も出ないこの状況では、自分自身を信じること、意志を貫き通すことでしか自分を証明できないでしょう。
このくらいニッチもサッチもいかない状態にならなければ、人は自分自身の中にある本当の気持ちに気付けないのかもしれません。
実際、極限状態になって初めて、自分がしたいことが見えてくることもありますよね。
ちょっと意外?悪魔が正面を向いている理由
番号順でいくと、次に正面を向いているのは15番の「悪魔」です。
正直、やましいことしかなさそうなイメージかもしれませんから、「公平」「中立」とは結びつかないイメージかもしれません。
しかし、どんな聖人でも、「人」である以上は魔がさすことがありますよね。
「え、まさかあの人が・・・」と思うような有名人が不倫やひき逃げなどで世間をザワつかせることも珍しくはありません。
それはつまり、「悪魔はどんな人でも平等に誘惑する」から。
天使を目指しても、しょせん人は動物。
どんなに理性を働かせようとも、本能には抗えないところがあります。
ゆえに、人間の知恵を頭脳を宿したこの悪魔の誘惑にいとも簡単に負けてしまうのです。
これは納得!19番の太陽
次に正面を向いているのは、19番の太陽。
太陽は、現実の世界でも私たちを平等に照らします。
恵みの日光も、かんかん照りの厳しい日差しも、そこには太陽の意志は介在していません。
誰かのところにはいつも日が当たっているのに、他の誰かはいつも日陰・・・なんてことはないのです。
これはお天気のことばかりではなく、人生の吉凶禍福についても同じことが言えるでしょう。
ゆえに、ここに描かれている太陽が正面を向いているというのは、誰もが納得できるところではないでしょうか。
20番 審判は平等に裁きを下す
最後は、20番の「審判」ですね。
これは「高次の生まれ変わり」を表すカードで、「人は誰しも、死んだら平等に裁きを受け、生まれ変わる」とされています。
ここに描かれている天使は神の使いですから、そこには「公平さ」と「中立」さがなければいけません。
「神」や「仏」が平等なのか?公平なのか?というテーマについてはまた議論の余地があるかもしれませんが、一応タロットの世界では「公平」という扱いになっているようです。
だから、その使いである天使も、平等に人を裁くのでしょう。
それを踏まえて考えると、この審判が正面を向いているのも、納得のカードではないかと思います。
【まとめ】人の隠された本音を見るならマルセイユ!
いかがだったでしょうか?
こうして見てみると、マルセイユ版で顔も目線もしっかりと正面を向いている人物はなんかしらの「筋」を通していることがわかります。
また、(正面を向いていることが)納得できる人物もいれば、意外だと思える人物もいたでしょう。
ウェイト版と比較してみると非常に面白い特徴であり、マルセイユ版にハマってしまう方が多いのも納得です。
人の微妙な心理、隠された本音などを見る際には非常に参考になると思いますので、ぜひ「顔の向き」「目線」に注目してリーディングしてみてくださいね!
ウェイト版とは一味違った深みのあるリーディングができるはずです。
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