マルセイユタロット講座、7回目の今回は、恋愛観や金銭感覚も分かる?コートカードの人物札に注目してみていきます。
大アルカナに描かれている人物の「向き」は、ウェイト版とマルセイユ版では違っているものが多いです。
では、小アルカナはどうでしょうか?
今回は、小アルカナに描かれている人物の「向き」に注目してみましょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
小アルカナの人物に注目!
小アルカナの人物カードを、それぞれのスート毎に並べてウェイト版と比較してみましょう。
例えばWandのカード。
マルセイユ版では、どのカードの人物も向かって右側を向いています。
タロットの世界では左が過去で右が未来ですから、4人の気持ちは一様に「未来」を向いていることが見て取れますね。
Wandは「創造力」のシンボルであり、今はまだこの世界にない物を作ろうという未来志向のエネルギーに満ちたスートです。
ゆえに、4者とも右を向いているのは納得できるところではないでしょうか。
このクウィーンが持つWandはとてもボリューミーですが、それはこの女王が「妊婦だから」という説もあります。
言われていれば、ドレスのシルエットもマタニティの雰囲気を帯びていますよね。
一方、ウェイト版では、
キング:左
クウィーン;右
ナイト:左
ペイジ:右
と、バラバラ。
なぜキングが過去を向いているのか?という点が謎かもしれませんが、
・過去の失敗や反省を活かして未来につないでいく
・だからこそ王の座に登りつめることができた
とも解釈できますね。
またウェイト版では左から順に「ペイジ、ナイト、クウィーン、キング」の順で並べられることが多いため、「伴侶であるクウィーン」と見つめ合っているのではないか?という解釈もあります。
この場合、彼は身体ごと彼女の方を向いているため、「恋愛に対してとても前のめり」「恋愛に対して非常に情熱的」ともリーディングできるでしょう。
Cupの4人はどっちを向いている?
次に、Cupの人物札に注目してみましょう。
面白いことに、マルセイユ版では、「未来」を向いているのはキングだけ。
他の三者は過去を見ています。
今度は、キングとクウィーンは見つめ合っているように見えますね。
しかし、クウィーンが手にしているCupにはフタがあり、キングに対してまだ心を開いていないようです。
左手に剣を持っているのも、警戒心や慎重な様子を感じさせますね。
また、ナイトはクウィーンにCup(想い、愛)を差しだしているようにも見えます。
一方で、ペイジのCupは他の人物のものに比べてシンプル。
これは、彼がまだ「愛」についての経験が浅く、愛というものを扱いきれていないことを表しているのでしょう。
このように、「未来」「過去」だけではなく、人物同士の関係性や性格、人物像も見て取れるのが小アルカナの面白いところです。
ウェイト版はどうかというと、やはりキングとクウィーンは向き合っていますね。
クウィーンのCupにフタがあるのも同じ。
彼女のCupだけが豪華なのは、彼女が愛に対して高い理想を描いているからだと言われています。
ちょっと面白いんですが、これを「ペイジ、ナイト、クウィーン、キング」の順に並べ替えてみると、ナイトとクウィーンが向き合う形になるんです!
このことからも、このクウィーンがとても恋多き女性であり、恋愛に対して高い理想を持っている人物であることが見て取れるでしょう。
Swordの人物札の「向き」に注目!
では、Swordはどうでしょうか?
並べてみると、マルセイユ版はCupと同じ。
キングだけが右(未来)を向き、クウィーンと見つめ合っています。
しかもキングは、小さな剣も携えていますね。
このクウィーンは未亡人だという説もあるので、キングは彼女のことをまだ100%信頼できていないのかもしれません。
両者の表情も、どこかお互いを探り合っているような雰囲気も見て取れますし、言われてみれば確かに「ラブラブ」な雰囲気ではなさそうです。
全てのカードを逆にしてみると、キング以外の三者が離反するような向きにもなりますので、このキングは誰のことも信じられずに警戒しているのかもしれません。
一方、ウェイト版ではキングは堂々と正面を向いています。
公明正大に、過去にも未来にも引っ張られることなく冷静に物事を決断できる人物のようですね。
クウィーンとナイトは向かい合うような形になっており、クウィーンが左手を上げて彼を招いているようにも見えます。
ナイトのカードでは、空を飛ぶ鳥が逃げまどっているような雰囲気がありますから、このナイトは非常にスピード感のある人物で、物事をバサバサと切り捨てていくような厳しさのあるタイプであることがわかります。
同じSwordでも、クウィーンのカードでは鳥が飛んでいたり、雲の線がやわらかく描かれていたりと、(この女性が)厳しさの中にも寛容さ、優しさを秘めた人物であることがみて取れるでしょう。
ちなみに、どちらのタロットでも、ペイジは剣=知恵の扱い方に慣れていないようです。
特にウェイト版では、鳥が慌てる様子もなく何羽も飛んでいることから、このペイジを舐めてかかっているようにも感じられます。
Coinのカードに表れる、お金の価値観
最後は、コインのスートです。
4つのスートの中で、唯一、脚を組んで座るキング。そして、体ごと左側(=過去、そしてキング)を向いているクウィーン。
キングはどこか、お金にものを言わせて斜に構えている風に描かれているのが面白いですね。
クウィーンは、キングにぞっこんというよりは「お金」と自分の過去にしか興味がないようにも見えます。
ある意味、「富」への強い執念が感じられるカードです。
一方、ナイトはコインを宙に放り投げてジャグリング。ペイジも、足元にあるコインに気づいておらず、お金に無頓着な人物のよう。
キング・クウィーンと、ナイト・ペイジでお金に対する価値観が全く違っているように見えるのが面白いところです。
さて、ウェイト版も見てみましょう。
やはりキングとクウィーンは向き合っていますが、二人ともそんなにお金や「富」に対して貪欲な雰囲気にも見えませんね。
むしろ、クウィーンはどこか憂いを帯びた雰囲気で描かれているのが興味深いところです。
「お金だけがすべてではない」「お金があっても満たされないことがある」というメッセージがこめられているのを感じます。
また、ナイトとペイジも、お金を大切に扱っている様子。
比較するとわかりますが、彼らの金銭感覚はどうやらマルセイユ版とは違っているようです。
これらの人物像特性を知っていれば、リーディングでこれらのカードが出た時には相談者のお金に対しする価値観をうかがい知ることもできるでしょう。
【まとめ】実は深い!コートカードの人物札
コートカードの人物札に描かれている人物の「身体の向き」「表情」から受け取れるメッセージについてご紹介しました。
視線や身体の向きから、恋愛やお金についての価値観やスタンスを伺い知ることもできるでしょう。
マルセイユ版とウェイト版を比較すると、さらに彼らからのメッセージを受け取りやすくなるかと思います。
ぜひ、実際にお手持ちのカードを並べてみて、彼らの人間関係や人物像についてあれこれ想像を巡らせてみてください!
なにか、ここでは紹介していなかった新しい気づきがもたらされるかもしれません。
そのような気づきを蓄積させていくことが、あなたのリーディングのオリジナリティを高めることにもつながっていくのです。
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