マルセイユタロット講座、8回目の今回は、数字に隠された謎についてお伝えしていきます。
マルセイユ版のタロットカードには、ウェイト版と同じように「番号」がついています。
実はその数字にも、リーディングに深みを持たせるエッセンスが含まれているのです。
今回は、各カードの「数」に注目してみましょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
数字に注目すると見えてくること
マルセイユタロットは、「数字」で読むのが面白い!という占い師さんも多いです。
わざわざ番号が振られているのはただ並べやすくするため、ではないのです。
実はそこにもちゃんと意味が込められています。
例えば、3番の女帝は「女性性」や「母なるもの」「母性」を象徴するカード。
一方で、4番の皇帝は「男性性」「父なるもの」「父性」を表すカードです。
「帝国」という意味もありますね。
さて、この3と4を足すと「7」。
7番のカードは「戦車」で、非常に勇敢そうな若い男性が描かれていますが、実は彼は女帝と皇帝の息子だと言われています。
3+4=7で、そこに夫婦・親子関係が投影されているというのは非常に面白いですよね。
他にも、「1番の魔術師=奇術師(少年)と2番の女教皇(少女)が恋に落ち、結ばれると「母(=3番の女帝)になる」という解釈もあります。
「始まり」は「成功」!
タロットカードは、「足して20」になるカードの組み合わせを見ていくと、色々と面白い発見があります。
例えば、1の魔術師と、19の太陽。
魔術師には「始まり」の意味があり、太陽は「成功」のカードです。
この2つの組み合わせが伝えるメッセージは、「始まりは成功だよ」ということ。
つまり、途中のプロセスでどんなことがあろうと、まずは「始めたこと」がひとつの成功だということなんです。
実際、何事もスタートしなければ成功もありませんよね。
始められたこと自体が、すでに成功。
とても哲学的なメッセージです。
次の2番と18番はどうかというと、2の女教皇は宇宙の真理を知っている人物。(彼女が持っているのは宇宙の律法書だと言われています)
そして、18番の「月」が表しているのは、自分自身でも把握できていない「無意識」。
物事や人間の「曖昧さ」を表すカードでもあります。
つまり、この2枚が言いたいのは「真実というのはいつでも曖昧なものだよ」ということ。
宇宙の真理なんて、本当にあるのかどうかわからないものだよ、そのくらい、世界なんて曖昧なものに過ぎないんだ・・・というメッセージとしても解釈できます。
ウェイト版では女教皇が月を踏んづけている様子が描かれていますので、視覚的にも「月」のカードとのつながりを感じやすいでしょう。
マルセイユ版に秘められているメッセージ性を、あらためて視覚的にわかりやすく編集されているという点もウェイト版が重宝される理由の一つかもしれませんね。
人物の対応で見るとさらに面白い!
足して20シリーズで最も興味深いのは、5の「教皇」と15の「悪魔」でしょう。
一見、教皇は「善」で悪魔は「悪」ですよね。
しかし、本当にそうでしょうか?
聖人の顔をしていても腹の中は真っ黒な人もいれば、一見悪そうに見えて実はピュアな人もいますよね。
立派な理想を語っていても、結局のところやっていることは「お金もうけ」「詐欺まがい」だったりすることもありますし、誰が善人で誰が悪人かはカンタンには見分けられないということ。
むしろ、堂々と正面を向いている悪魔のほうが、実は正直で誠実だったりするのかもしれません。
宗教団体と政治家の関係がクローズアップされる事件がありましたが、それはまさにこの5番と15番のテーマで表現できるのではないでしょうか。
善人は見方を変えれば悪だし、悪人も人によっては「善」なのです。
「希望」でつながる2つのカード
さきほど、3番の女帝と4番の皇帝の子供が7番の「戦車」に描かれている王子だ、という話をしました。
実際に3番のカードの女性は、ドレスのシルエットを見てもわかるように「妊婦」。
すでにお腹の中に新しい命を宿してる、とても希望あふれるカードなのです。
ウェイト版だと背景もゴールドですし、「希望」のテーマがかなり強調されているように感じますが、その点でマルセイユ版は控えめなのでわかりにくいかもしれません。
さて、この3番の裏カードとなっているのが17番です。
17番は「星」。
こちらも、お腹がふっくらしていて「妊婦」であることがわかります。
今度はウェイト版よりもマルセイユ版のほうがわかりやすく描かれていますね。
この3+17のメッセージは、「人生、楽しむことが希望の光になるよ」というもの。
女帝は、母として子に「人生は楽しいことを見つける旅なんだよ」「楽しんでなんぼだよ」と教え、星は「楽しんでいたら、ツラいことがあっても希望の光を見失うことはないわ」と教えてくれます。
一見関係がなさそうに見えて、この2枚は深いところで密接につながっているのです。
このような謎解きを自分で考えて楽しんでみるのもタロットカードリーディングの一つの醍醐味と言えるでしょう。
解釈は十人十色で「正解」はありません!数字や絵柄を頼りに、自分なりにステキなつながりを見つけてくださいね。
【まとめ】「数」を知ればリーディングの幅が広がる!
タロットを学び始めてから、その流れで「数秘術」の世界に入っていく方も多いですが、それはタロットに「数字遊び」の要素があることも影響しています。
「数」のつながりにフォーカスしてタロットカードを見ていくと、他にもハッとするようなメッセージに気付くことでしょう。
逆に、数秘術の知識がある方にとってもタロットの世界は興味を引くものでしょうし、数秘の知識がない方よりも一段深い解釈ができると思います。
解説書にはないようなオリジナルなリーディングをしたい!という方は、ぜひ「数」に注目してカードとカードを比べたり足したりしてみてくださいね。
あなただけの「真理」を掘り起こすことができるかもしれません。
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