マルセイユ版タロットでつまずきやすいのが、小アルカナの数札。
人物が全く描かれておらず、各スートのアイテムとその数だけでリーディングするというものです。
ウェイト版とは違って、そこに何かしらの「ストーリー性」を見出すのは難しいと感じるかもしれません。
今回は、そのうちの「ワンド」のスートに注目してみましょう。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
ワンドが象徴するものは?
ワンドは、シンプルに言えば「木の棒」です。
木の棒は、火を点けると燃えますよね。
そこから、ワンドは「情熱」「生命力」などを表します。
四大元素の中でも宇宙で最初に生まれたのは「火」だという説もあり、そこから発展して「無から有を生み出す」「創造性」という意味も与えられています。
要するに、ワンドはとても根源的なパワーを持ったスートだということですね。
※12星座では、おひつじ座、しし座、いて座に対応しています。
ウェイト版だと、木の棒に葉っぱが生えている様子が描かれていますが、マルセイユ版では華やかな装飾が施されています。
これは、王侯貴族の「権威」の象徴。
番号が大きくなると、その分だけ本数も増えていきます。人物は描かれていないものの、やはり本数が増えると迫力がありますよね。
それぞれの数には意味が与えられていますので、次の項目でご紹介します。
ワンド1~ワンド10はそれぞれ何を表しているの?
マルセイユ版のタロットは、パッと見た時の「形」が深い意味を持っています。
絶対的な正解と言えるようなものはありませんが、一つの例を挙げておきますのでリーディングの参考にしてみてくださいね。
★ワンド1 トリガー
一つの方向に向かって強い力が働く。
★ワンド2 バランス
二つの力のバランスがとれ、調和している
★ワンド3 トリガー+バランス
調和している状態を揺り動かす力が働く
★ワンド4 2倍のバランス
非常に安定感があり、そこに実りがもたらされる
★ワンド5 2倍のバランス+トリガー
安定を揺るがす変化。生きるために必要な冒険や戦い
★ワンド6 2倍のトライン
争いが解決して調和する。調和が強化されて形
★ワンド7 2倍のトライン+トリガー
調和を維持するための戦い
★ワンド8 2倍のスクエア
根気よく取り組んだ末の安定。簡単には壊せない安定
★ワンド9 2倍のスクエア+トリガー
誰かの意志によらない変化。自然発生的な変化
★ワンド10 2倍のスクエア+バランス
最強の結束力
個人的に、注目して欲しいのは、各カードの真ん中の部分。
ワンドの本数が増えるにつれて、交差している部分が力強くなっていくのを感じ取れます。
これは、物事やその人の内側にある意志、情熱が結束している様子を表しているようにも受け取れますよね。
木の棒の本数が多いほど、炎も勢いよく燃え上がるでしょう。
この結束部分と、相談者のモチベーション、意思の強さをリンクさせて考えてみるのもオススメの読み方です。
正逆はどうなるの?
ウェイト版のタロットに慣れている方は、ここでふと疑問に思われることでしょう。
「あれ?正逆はどうなるの?」と。
一見すると、マルセイユ版は正逆がないようにも見ますよね。
じっくり眺めてみるとわかりますが、ワンドに関してはAce、2、4、6以外は正逆がハッキリと見分けられません。
ゆえに、あえて正逆は含めずにリーディングする占い師さんも多いです。
本質的な意味は変わらないので、あまり「正逆」にこだわる必要はないでしょう。
それよりも、全体的な形状からパッと感じたこと、インスピレーションを大切にしてリーディングすることが大事です。
ちなみに、ワンドは「武器」でもあるので、多ければ良いというものではありません。
展開した時に、ワンドが多く出る(あるいは、ワンドの番号が大きい数が出る)場合は
・強いプレッシャーを感じている
・前のめりになり過ぎている
・アツくなり過ぎている
とも解釈でき、ある意味では「警告」を表すサインとも受け取れるでしょう。
【まとめ】1本1本を見るのではなく、全体像に注目!
マルセイユ版タロットの「ワンド」の数札の読み方をご紹介しました。
一見、トランプのように見えて、「ここから意味を見出すのは難しい」と思われるかもしれません。
が、ひとまず1から10まで並べてみて、離れたところから眺めてみてください。
各カードのワンドの「本数」にこだわるのではなく、全体的な形状、ワンド間の力のバランスを見るようにすると、なにかしらのメッセージを受け取れるはずです。
10番あたりのカードは、人によっては、胸に重苦しいものを感じるかもしれません。
そういったFeelingをフルに活用しながら読むというのがマルセイユ版タロット 【小アルカナ】のリーディングのコツです。
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