ウェイト版とマルセイユ版では、全く同じカードの組合わせが出たとしても、リーディング結果が同じになるとは限りません。
場合によっては正反対の解釈になることも。
今回は、実際のお悩み相談を元に、両方のカードでリーディングした場合の結果を比較してみました。
お悩み相談は「仕事」に関することです。
まずは動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
ご相談内容
転職について(Wさん 39歳 男性)
Wさんは、地方都市の自動車メーカーに15年勤務し、エンジニアとして活躍されています。
コロナの影響でテレワークが多くなり、週のうちのほとんどが在宅勤務になってしまったとのこと。
技術職にとって大事な実験もほとんどできなくなり、また、会社の今後にも不安を覚え、1ヵ月前に転職しました。
転職先は、同業他社。転職の仲介サイトを通じて転職したそうですが、ほとんど”引き抜き”のような感じで、とんとん拍子に決まったとか。
相手の企業にとってもWさんはまさに「欲しかった人材」だったようで、ベストマッチングな転職だったようです。
条件的にも、前の職場よりも年収も良く、ご本人的には「あまりにもうまく進み過ぎて怖くなった」とのこと。
果たしてこの天職は、将来的に見てWさんにとって吉と出るのでしょうか?
出たカード
今現在のWさんの状況(主に環境)・・・ワンド クイーン 逆位置
Wさんの気持ち・・・ソード クイーン
近い未来に起きること・・・女帝 逆位置
それによってWさんの追う状況はどうなるか・・・ソード5
最終的にWさんはどうなるのか・・・ワンド4
ウェイト版でリーディングした場合
ウェイト版は、やはりどうしても「絵柄」の印象に強く影響を受けてしまいます。
クウィーンが2枚、女帝も出ていることから、単純に「今までよりも女性が多い職場」とも解釈できるでしょう。
一方で、ワンド逆位置、ソード正位置ですから、転職活動に際して少し前のめりだった部分がありつつも、今現在のWさんは非常に冷静に、落ち着いた状態で自分や状況を静観できている様子が伺えます。
ご本人も語っていたように、この転職はとてもスムーズだったのでしょう。
ソードのクイーンは、Wさんが淡々とこの話を進めてきたことを物語っています。
今後は、もちろん良いことばかりではないのは当たり前ですが、Wさんならではの知性やスキルを活かしてやっていけそう。
一般的に、転職組というのは、最初はどこか居場所がないような感じを味わうものだと思いますが・・・
Wさんに関しては、新しい職場の人も一目置くしかないくらいの実力が備わっているようですから、むしろ職場の人達がかしこまってしまうくらいかもしれませんね。
ただ、それで少々調子に乗ってしまいそうな様子も見て取れます。
謙虚さを忘れなければ、周囲とも折り合いよく、人間関係にも恵まれつつ活躍していけるでしょう。
総括すると、ウェイト版で見た場合のWさんの今後は非常に明るいものだと言えます。
マルセイユ版でリーディングした場合
さて、マルセイユ版ではどうなのか?
小アルカナの人物札についてはどのような解釈になるでしょうか。
・ワンドのクウィーン…強い意志と独立心の象徴。権力に屈することなく挑戦し続ける。逆位置で出ると、「支配的」「わがまま」「独断と偏見が多い」といった意味になります。これは、ウェイト版の解釈と大きな違いはありません。
・ソードのクウィーン…警戒心、ガードの堅さ、神経を張り詰めている様子を表します。また、コミュニケーション能力や優れた知性を表すカードでもありますね。逆位置で出ると、意固地、頭でっかち、理屈ではわかっているが行動できない様子を意味します。こちらも、ウェイト版と大きな違いはありません。
つまり、この転職は、Wさんの強い意志の元に進められたものであることが実て取れます。もしかしたら、家族からの反対もあったのかもしれません。
しかし、外野から何を言われても押し通したい!というくらいの情熱を持って進められた転職活動であったことが伺えます。
転職した今は、(最初は誰でもそうだと思いますが)、神経を張り詰めている状態なのでしょう。
周りから見れば、少々「ピリピリしている」と受け取られてしまう様子もありそうですね。
では、ソードとワンドの数札についてはどうでしょうか?
・ソードの5 ⇒ 2倍のバランス+トリガー。安定を揺るがす出来事。大きな分断。使い捨て。リストラ。
・ワンドの4 ⇒ 2倍のバランス。活気と安定感があり、そこに実りがもたらされる。周りとの調和もとれている状態
・・・ご本人にはあまり大きな声では言えませんが、ソード5は「リストラ」という不穏な意味もあるカードです。
女帝が逆さまになっているので、「放任され過ぎて逆に戸惑う」「収入が良くなった分、浪費に注意」というメッセージも読み取れます。
ウェイト版だと、順風満帆でなんら問題がなさそうにも思えましたが、マルセイユ版では意外なキーワードも出てきましたね。
ただ、最終的な総括カードは「ワンド4」なので、この転職はマルセイユ版でもやはり「吉」と判断して間違いないでしょう。
長い目で見れば、Wさんにとって実りある決断だったと言える日がくると思います。
どんなに居心地が良い職場でも、イザコザの一つ二つはあります。
また、本気で働いていれば、同僚や上司とぶつかることもあるでしょう。
おそらく「ソード5」は、リストラというよりもそういったことのあれこれを意味しているものと推測できます。
「アットホームでのんびりした職場」というよりは、良い意味で切磋琢磨する雰囲気もあり、Wさんの向上心や闘志を満たしてくれる職場と言えるでしょう。
【まとめ】両方で鑑定すれば意外なキーワードも拾える!
いかがだったでしょうか?
ウェイト版、マルセイユ版でざっくりとした意味は同じになりますが、細かい部分には違いがあります。
特にマルセイユ版は、「ソード5」を「リストラのリスクあり」と読む占い師さんもいるかもしれませんね。
おそらく、ウェイト版では「リストラ」という解釈はあまり出てこないので、その点で「マルセイユ版のほうが鋭い」とも言えるでしょう。
他のカードとの関係性によってその意味も違ってくるので、どう読むかにはセンスが問われます。
それは、ウェイト版でもマルセイユ版でも同じことですね。
いずれにしても、ウェイト版にはないキーワードが拾えるというのはマルセイユ版の強みと言えるでしょう。
できれば両方でリーディングして、「もしも」の可能性は全て洗いだすくらいのリーディングをしたほうが、実際の転職には安心できるのではないしょうか。(※転職前に鑑定する場合)
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