タロットカードの解釈に「正解」はありません。
出たカードから何を読み取るかは、個々人の自由。
ベテラン占い師から素人まで、十人十色の解釈法があるからタロットは面白いのです!
ですが、自由であるがゆえに「タロットの解釈ってよくわからない」「何を読み取れば良いのかわからない」という方も多いよう。
そこで今回は、「数」とカードの絵柄を組み合わせたリーディング法についてご紹介します。
数が持つ意味を知れば、タロットの世界をもっともっと楽しめるようになります。
スタンダードなウェイト版のタロットを使用しますので、まずは22枚ある大アルカナをお手元にとって、順番に並べてみてください!
動画でチェックしたいという方は、以下よりご覧いただけます。
「0」~「5」:ゼロからのスタート。動き出せば”出会い”がある。
「0」は、何もないことを表す数字。
一見、力がなさそうに思われるかもしれませんが、掛け合わせることでどんな数字も白紙(0)に戻してしまう強いパワーを秘めた数でもあります。
タロットの世界でも、0番の「愚者」は最強のゼロ。
最小限の荷物だけを持ってふらふらと旅する彼には、守るべき人も物も、地位もありません。
しかし、彼の足取りは軽く、表情はとても楽しそう!
お金も地位もなくても「今」を楽しめる、そんな人だからこそ彼はどこに行っても生きていけるのです。
道化師としてその日暮らしをしていた愚者ですが、ある時、ふと考えます。
「今、持っている荷物で何か新しいこと、できないかな?もっと効率よくお金や食べものを手に入れる方法はないだろうか」と。
何もない「0」の状態から「1」の”やる気”が立ち上がる。
「なにかやってみようかな」という情熱が生まれる。この「0から1」が立ち上がる動きはかなり重要です。
数秘術において「1」は、”何か”が始まる数字。男性性を表すカードでもあります。
実際に、タロットカードでも、1番のカードでは男性が何かを始めようとしていますよね。
どうやら愚者くんはプロの魔術師を目指すことにしたようです。
手元にはワンド(やる気)、カップ(人間関係)、ソード(知恵)、ペンタクル(お金)がそろっていて、準備は万全!
「ちゃんと形になるかどうかわからないけど、とりあえず始めてみよっか」「アイデアだけでも出してみよう」というのがこのカードのメッセージですね。
なにかを始めると、必ずそこには新しい「出会い」があります。
人との出会い、新しい知識、体験、そして自分の内側に弱点や強みを見出すことも一つの「出会い」ですよね。
そんな「つながり」や「出会い」を表すのが「2」のカードです。
ここに描かれている女性(女教皇)が持っているのはDNA情報について書かれた本だ、という説もあり、あなたの才能や可能性、物事の本質への ”気づき”を暗示するカードでもあります。
「自分にはこんな才能があるんだ」「遺伝的に、こういうことが向いているかもね」
こんな素質に気付くことができたら、次の段階としてはそれをどう生かしていくか?ということに目を向けていくことになります。
人と同じことをしていても成功できませんから、「持ってるものを使ってどうやってクリエイティブになるか?」が次なる課題です。
それを象徴するのが3番の女帝。
数秘術で「3」は喜びの数字であり、生命の躍動感や創造性を表す数字です。
タロットに描かれているこの女性(女帝)は妊娠しているという説があり、まさに「可能性」や「創造」、「生み出すこと」のシンボルですよね。
正確に言えば、まだ生まれていない可能性を表すのがこの「3」のカードなのです。
ちなみに、「2」には「二つのものの間で迷う」という意味も含まれています。
光と闇、善と悪、AかBか。みなさんも日々、迷いの中に生きているのではないでしょうか?
しかし「3」ではその2つから全く別のもう一つの物を作り出すことができます。
その結果、迷いから脱して「楽しい」という感覚が出てくる。
「楽しいから、この状態を長く継続したい」
そう思うから新しい工夫をするようになり、「安定」という概念が生まれます。
これが「4」です。
タロットカードでは、位の高そうな男性(皇帝)が四角いイスに座っていますよね。
自転車はこぎ続けていないと止まってしまいますが、三輪車は止まったままでも安定し、さらに自動車になると自分は内側に入って”守り”に入ることができます。
この皇帝は、変化よりもまず「守ること」「現状を維持すること」を優先させ、そして、自分が守られた状態で権力を拡大していくのです。
とはいえ、人は変化を求める生き物。
ずっと同じ状態が続けば、何かを変えたくなるし自分も変わりたくなる。
そこで出てくるのが「5」の概念。
数秘術では人間が両手両足を広げたイメージをカタチにしたものだと言われていて、「自由」や「拡大」を意味する数字です。
タロットカードでは、法王がなにかを指示しているようにも、教えているようにも見えますね。
法王は「神様の意思を代弁する存在」であり、絶対的な権力を持っていた人物ですから、その影響力は相当なもの。
「あなたの意志でルールを変えることだってできるんだよ」「今を変えられるのはあなただけだよ」「あなたが変われば世界も変わるよ」という強いメッセージを伝えているカードです。
「6」~「9」:旅立った青年はやがて悟りを得る
変化した先にあるのは、やはり新しい出会い。
「6」のカードでは、男性と女性の出会いのシーンが描かれています。
しかし、二人はお互いの手を取るかどうか迷っているようにも見えますよね。
「6」は「3」+「3」でヘキサグラムを表す数字であり、「天の調和」と「地の調和」が合わさった状態。
最強の調和状態なので、強い絆で結ばれることを暗示しています。
一方で、大天使に祝福されてはいるけれど、奥には高くそびえたつ山も見える。
「この人と一緒に歩いていきたいけど、、でも本当に大丈夫かな?手をつないでも大丈夫?後悔しないかな?」
HAPPYに見えて、実は多くの迷いや葛藤を秘めたカードでもあるのです。
共に手を取り合って生きていく存在に出会えたら、今度はその人との生活を守れるようになりたいと思うものですよね。
守るためには、あれこれ試行錯誤も必要でしょう。
「6」の愛に「1」の実験的な要素が加わって「7」が生まれます。
「7」は追求する数字です。
守りの「4」を維持しながらも、「3」の創造性を使って新しい道を切り開いていく。
どっちかに偏り過ぎてはうまくいかないので、両方をうまくコントロールしながら進めていかなければいけません。
タロットカード7番の「戦車」はその様子をうまく表現していますよね。
※余談ですが、この男性は「3」の女帝と「4」の皇帝の息子だという説もあります!
才能を暴走させてもいけないし、守りに入り過ぎてもいけない。
そのかじ取りをしているのは、結局のところ自分の内側にある理性。
自分で自分をコントロールできない人は、仕事も恋愛もうまくいきません。
この真理を表しているのが8番の「力」です。
女性が抑え込んでいるライオンは、私たちの内側で暴走する感情。
数秘術でも「8」はパワーを表し、願望や欲望を象徴する数です。
横にすると「∞」ともなることからとても縁起の良い数字ではありますが、欲望はコントロールを誤ると身を亡ぼすことになりますよね。
タロット8番に描かれた女性は、8番の持つ「豊かさ」の良い面と悪い面を教えてくれています。
「世間で言われている豊かさって、本当にあなたにとっても意味あるの?」
「もうちょっと冷静になって、自分にとっての豊かさは何なのかを考えてみたほうが良いじゃないのかしら?」
8番の女性は、私たちにそのように問いかけているようにも見えます。
私にとっての本当の豊かさとは?人生の意味とは?
その答えをくれるのが、「9」という数字。
数秘術では「完結」「手放す」という意味があります。
「9」という数字は首を垂れた老人、賢人の姿をイメージしていると言われていますが、まさにタロットの9番で描かれているのは老賢人(隠者)。
3+3+3で「調和」が極まった姿とも捉えられますし、「7」の男性が人生を追求していった結果、「2」の真理に到達して悟りを得た・・・こんな解釈もできますね。
いずれにしても、人はやがて「私はなぜ生きているのか」「何が自分にとっての幸せか」という問いに対して自分なりの答えを見つけるステージに入ります。
世間の人がどう言おうが、これが私の幸せ。
さあ、その答えはどうなのか?神様からの裁きが下るのが10番の「運命の輪」というわけです。
「10」~「14」:新しい始まり。”死”すらも受け入れて。
タロットカードでは、10番を境に流れが変わります。
10番は、数字術では「1+0」で「1」。
ここから再び新しい世界が始まります。
ただし漫然と始まるわけではなく、運命のルーレットを回すチャンスがあります。
吉と出るか凶と出るかわからないけど、とにかく回してみて!そしたら運命の流れが変わるかもしれないよ、というのがこのカードからのメッセージなんですね。
そして11は、「5」+「5」+「1」。
五芒星は自由や拡大の象徴ですが、逆さにするとデビルズスター。
ですから、11番のカードに描かれている正義の女神は、「いいこと(五芒星)も悪いこと(デビルスター)も両方天秤にかけて、どっちがいいか判断しなさい」と伝えています。
この11番は9の「隠者」と表裏一体の関係になっているので、「物事を決める時はじっくり考えて知恵を出しなさいよ」という意味にも捉えられますね。
そして迎える12番は、逆さまに吊るされた男の姿。
一見、「かわいそう」「絶体絶命じゃん」と思われるかもしれませんが、この男性は自らこうされることを選んでいるので、ちっともネガティブなカードではありません。
「12」は「6」+「6」で調和が極まった数字であり、ある意味では完璧な数字。
実際、星座や干支、月も12で完結していますよね。
「膠着状態で動けないんだけど、それはそれで楽しい」「自己犠牲っぽく見えるけど、この状況も意外と楽しめているよ」
そんなちょっと自虐的にも思えるような状況を表しているのが12番の「吊るされた男」なのです。
ただ、このまま吊るされているとやがて13番の「死神」がやってきます。
数秘でみると「12」+「1」。
完璧な世界にもやがて終わりがあり、そこから新しい世界が立ち上がってくることを意味しているのです。
この13番は7の「戦車」と表裏一体の関係になっているのも見どころ。
戦車は正面から向かっていって結局誰も殺していませんが、死神は横から現れて人の息の根を止めています。
「正面から向かってダメなら、方向を変えて攻めたほうがいいよ」「物事の見方を変えてみたほうがいいよ」という暗示ですね。
「死神の後には天使が現れ、悪魔のところに連れていかれる」
キリスト教ではこんな教えがありますが、タロットの13 ⇒ 14 ⇒ 15はその流れをドンピシャで表しています。
大天使が描かれた14の「節制」には2つの解釈があり、一つ目は「7」+「7」。
戦車同士、バラバラに進むのではなくて、お互いに調整を取りながら(=節制)進んでいきましょう。そのほうが勝てるよ、という意味。
もう一つは「12」+「2」で、完全なる世界(12)をもっと調和(2)していきましょう。という意味です。
いずれにしても、「2つのものを組み合わせて統合すれば、全く新しい価値を作れるよ」というメッセージが込められています。
14のカードに描かれた天使が両手に持った盃で水を移し替える動作を続けているのは、いつかその水が「水ではない何か」に変わると信じているからなのです。
◆「15」~「21」:結局最後は再び「0」に戻る
しかし、容赦なく悪魔が現れます。
15の「悪魔」は、5との対比で考えると非常にわかりやすく、「5」の法王が実は悪魔なのではないか?と考えることもできるのです。
法王は、人を良い方向に導くために教えを説いていますが、悪魔は人を悪い道に誘い込むために誘惑しているわけですよね。
しかし、神様を語って人を悪い道に引きずり込む輩もいますし、実はやっていることに大差はないのかもしれません。
「善があるから悪が生まれる。善がなければ悪もない」・・・例えば、法律がなければ逮捕される人もいませんよね。
「人を殺してはいけない」というルールがなければ、殺人犯も生まれません。
ちょっつと屁理屈っぽい感じもしますが、こうしていろんな解釈ができるのもタロット×数秘術の面白いところです。
一方で、「法王の足元に描かれているカギは、悪魔の鎖を解くことができる」という説もあります。
つまり、善なる知恵を手に入れることで悪を消すことができるということ。
正しい学びを得ることができたら、悪魔の呪縛から自分を解き放つことができるのです。
気付いたならば、今まで自分を縛り付けてきた古い価値観を全てぶち壊すことができるでしょう。
幼い頃から少しずつ石を積み重ねて作ってきた塔がガラガラと音を立てて崩れ去るのが16番「塔」です。
「4」+「4」+「4」+「4」で、一見とても安定する数字に思えるのですが、帝国が4つあってひしめき合っていたら、そのうち領土争いなどがあって間違いなく戦いがあって滅びるでしょう。
「安定に固執すると必ず崩壊する」これが16番のカードからのメッセージです。
しかし、高い塔がなくなったからこそ美しい星空が見られるようになります。
それが17番のカード。
実は「3」の女帝のカードとセットになっていて、描かれている女性はどちらも妊婦だと言われています。
つまり、「積み重ねてきたことががれきになったとしても、あなたの中に希望は残っているよ」という意味でもあるし、「自分の内側に残されている可能性にかけてみなさいよ」というメッセージでもあるんですね。
深いです・・・!
塔が崩れ去った荒野で星を見ていたら、月(18番)も出てきました。
18は「曖昧さ」を表すカードとして知られていますが、実は「2」の「真理」につながっているという説もあります。
2の女教皇が被っている帽子は満月をモチーフにしているようにも見えますね。
女教皇は全ての真実を握っているように見えて、実はその真実とはとても曖昧なものなのではないか?
目で見て確認できるものだけが真実ではないのではないか?
・・・そんな気づきを与えてくれるカードです。
さあ、夜が明けて太陽(19番)が昇ると、ニガヨモギのラッパが吹き鳴らされて死者もよみがえります。(20番)
「1」のカードでテーブルの上に置かれていたワンドやカップ、コインが19番では全てひまわりの花に変わっています。
最初は「うまくできるかなあ」と不安な気持ちもあったけど、勇気を出して始めてみたら、やがてすべてが「花」になった。やってみて良かった!!
つまり「1」と「19」の対応は「成功」を表しているのです。
そして20番は、「10」+「10」。
10番の運命の輪が1回転して、また戻ったというイメージ。
ここでまた運命の輪を回して流れを変えていく。それを繰り返すのが人生というものなんだよ、という象徴でしょう。
そして迎える21番「世界」は、「20」+「1」で再び始まるカード。
0番の隠者が「何も持っていない、自由であるがゆえの最強」だったのに対して、こちらは「全て持っているがゆえの最強」です。
カードの絵柄をよくみると、真ん中にいる人物を囲む蛇は「0」の形にも見えますよね。
全てがあるということは、「ないものがない」という状態。
つまりこれも「ゼロ」ということになりますよね。
実際、私たちの欲望には果てがありません。
欲しいものを手に入れても、好きな人と結婚しても、子どもを授かっても、「これでいいや」と満足することはない。
だから何度でもスタートに戻り、出会いと別れを繰り返していくのです。
◆【まとめ】タロットカードは人生の縮図!ただの占いツールではない
いかがでしたか?
「タロットカードって、こんなストーリーっぽい意味があったんだ・・・!」
「数秘術の解釈がこんなにしっくりハマるなんて知らなかった」
という方も多いのではないでしょうか。
タロットカードの世界は、人生の縮図。
”数”の解釈を組み合わせることで、リーディングに深みや奥行きを持たせることができるのです。
ある意味で、ビジネス書や自己啓発本を読むよりも多くの気づきを与えてくれます。
単に「占いのツール」として使うのではなく、何か迷ったり悩んだりした時に頼れる指南書としていつも近くに置いておきたいですね(*´∀`*)
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